2026年11月場所の番付発表日は、10月26日(月)。日本相撲協会が公表した令和8年十一月場所の番付が、九州場所の正式な顔ぶれとなる。
開催概要は次のとおり。
- 場所:大相撲九州場所(令和8年十一月場所)
- 番付発表日:2026年10月26日
- 初日:2026年11月8日(日)
- 千秋楽:2026年11月22日(日)
- 会場:福岡国際センター
- 幕内力士:42人
- 十両力士:28人
九州場所は年間6場所のうち、東京・大阪・名古屋以外で開催される地方場所の一つ。福岡を中心とする九州の相撲ファンにとって、1年の締めくくりを飾る重要な本場所だ。
今回の番付発表で注目したいのは、単純な順位の変動だけではない。三役への新昇進、初めて幕内に上がる力士、十両から幕内に戻るベテラン、そして関取の層を厚くする部屋の勢力図まで、複数の変化が重なっている。
【幕内・十両番付一覧】2026年11月場所の東西力士を完全整理

まずは、読者が最も知りたい幕内と十両の東西番付を整理する。
今回の番付は、東横綱に大の里、西横綱に豊昇龍が並ぶ。大関は安青錦、琴櫻、霧島の3人。新小結の美ノ海と小結復帰の義ノ富士が三役を構成する。
幕内番付・東西一覧
2026年10月26日発表・日本相撲協会公表番付に基づく
{#each [
["大の里","横綱","豊昇龍"],
["安青錦","大関","琴櫻"],
["霧島","大関(東2人目)","—"],
["藤ノ川","関脇","熱海富士"],
["美ノ海","小結","義ノ富士"],
["朝乃山","前頭筆頭","藤凌駕"],
["宇良","前頭2","藤青雲"],
["高安","前頭3","伯乃富士"],
["尊富士","前頭4","大栄翔"],
["平戸海","前頭5","豪ノ山"],
["琴勝峰","前頭6","琴栄峰"],
["若元春","前頭7","金峰山"],
["狼雅","前頭8","錦富士"],
["欧勝馬","前頭9","朝紅龍"],
["獅司","前頭10","王鵬"],
["隆の勝","前頭11","朝白龍"],
["一山本","前頭12","阿炎"],
["寿之富士","前頭13","朝翠龍"],
["時疾風","前頭14","出羽ノ龍"],
["玉鷲","前頭15","北の若"],
["嵐富士","前頭16","旭海雄"],
["大青山","前頭17","—"]
] as r}
{/each}
十両番付・東西一覧
十両は東西14枚ずつ、合計28人。新十両の旭富士と竜鳳は、それぞれ東十両12枚目、西十両14枚目に配置された。
{#each [
["千代翔馬","十両筆頭","阿武剋"],
["風賢央","十両2","翔猿"],
["輝","十両3","正代"],
["一意","十両4","嘉陽"],
["竜電","十両5","若隆景"],
["湘南乃海","十両6","生田目"],
["丹治","十両7","日翔志"],
["翠富士","十両8","東白龍"],
["御嶽海","十両9","白熊"],
["炎鵬","十両10","若ノ勝"],
["友風","十両11","佐田の海"],
["旭富士","十両12","玉正鳳"],
["明生","十両13","時不動"],
["羽出山","十両14","竜鳳"]
] as r}
{/each}
この東西一覧で特に注目したいのは、幕内下位に新入幕3人と再入幕3人が集まっていることだ。
新しい力士が上位を目指す一方、十両から復帰した実績ある力士も幕内の地位を争う。番付下位は、今後の定着を左右する重要な戦いの舞台になる。
なお、番付は10月26日に発表された正式な序列であり、その後の出場判断や休場情報とは区別して確認する必要がある。
【新小結・美ノ海】沖縄県初の三役昇進を実現した理由
今回の番付で最も歴史的な意味を持つ昇進が、美ノ海の新小結だ。
日本相撲協会の番付トピックスによると、美ノ海は沖縄県出身力士として初めて三役に昇進した。47都道府県で唯一、三役力士がいなかった沖縄県から、ついに小結が誕生したことになる。
新小結昇進を決めた秋場所の成績
美ノ海の昇進を後押ししたのは、2026年9月の秋場所で残した10勝5敗という成績だった。
西前頭3枚目で迎えた秋場所では、上位力士との対戦が続くなか、琴櫻と霧島の2大関を撃破。さらに千秋楽では小結の大栄翔を押し出しで破り、2桁勝利に到達した。
この結果、2025年春場所以来となる2度目の敢闘賞も受賞している。
単に平幕上位で勝ち越しただけではなく、大関や三役経験者を相手に結果を残したことが、今回の昇進を裏付ける重要な材料となった。
初土俵から63場所、大学相撲出身では最も遅い新三役
美ノ海の経歴を振り返ると、今回の昇進が決して平坦な道ではなかったことが分かる。
- 2016年春場所:日本大学から初土俵。
- 2018年名古屋場所:新十両に昇進するも5勝10敗で幕下へ。
- 2019年夏場所:再十両を果たすも5勝10敗。
- 2023年九州場所:30歳で新入幕、9勝6敗で勝ち越し。
- 2026年9月場所:10勝5敗で敢闘賞を受賞。
- 2026年11月場所:33歳5か月で新小結。
初土俵から新三役までの所要63場所は、学生相撲出身者として最も遅い記録。従来の嘉風の61場所を2場所上回った。
また、33歳5か月での新三役は戦後4位の年長記録となる。木瀬部屋からは2024年初場所の宇良以来の新三役で、日本大学出身者では20人目だ。
美ノ海の昇進は、早い段階で出世した力士だけが三役に到達するわけではないことを示す。十両と幕下を行き来した経験を持つ力士が、幕内で地位を守りながら上位を倒し、33歳で新たな地位をつかんだ点に価値がある。
【新入幕3力士と玉鷲】昇進の背景と再入幕の歴史的記録
2026年11月場所では、出羽ノ龍、嵐富士、旭海雄の3人が新入幕を果たした。
一方、玉鷲、北の若、大青山も再入幕。新入幕と再入幕を合わせて6人が幕内に戻り、顔ぶれが大きく変わった。
出羽ノ龍:出羽海部屋から約11年ぶりの新入幕
出羽ノ龍は秋場所で東十両筆頭に位置し、10勝5敗を記録。十両上位での好成績が評価され、念願の幕内昇進を果たした。
出羽海部屋からの新入幕は、2015年九州場所の御嶽海以来。約11年ぶりに同部屋から幕内力士が誕生したことになる。
部屋の歴史を受け継ぐ新しい幕内力士としても注目される。
嵐富士:2場所で十両を通過した22歳の新鋭
嵐富士は、今回の新入幕力士のなかでも特に勢いが目立つ存在だ。
2024年春場所に幕下最下位格付け出しでデビュー。その後、2026年名古屋場所で新十両となり、11勝4敗を記録した。
続く秋場所でも10勝5敗と勝ち越し、わずか2場所で十両を通過。幕内昇進を決めた。
加えて、福岡県出身力士としても注目される。2013年夏場所の大喜鵬以来、戦後24人目となる福岡県出身の新入幕力士となった。
地元開催の九州場所で幕内デビューを迎えることは、本人にとっても大きな節目になる。
旭海雄:大島部屋創設後初の新入幕
旭海雄は秋場所を西十両筆頭で迎え、8勝7敗と勝ち越した。
派手な2桁勝利ではないものの、十両上位で勝ち越したことが幕内昇進につながった。
今回の昇進には、所属する大島部屋にとっても大きな意味がある。元関脇・旭天鵬の大島親方が部屋を創設して以来、初めての新入幕力士となった。
また、日本体育大学出身者では戦後15人目の新入幕。出羽ノ龍とともに、モンゴル出身力士の新たな幕内進出を象徴する存在だ。
玉鷲:41歳11か月で昭和以降最年長の再入幕
今回の番付で最も大きな記録的話題となったのが、玉鷲の幕内復帰だ。
41歳11か月での再入幕は、昭和以降の最年長記録。2018年夏場所に安美錦が記録した39歳6か月を、2歳5か月更新した。
玉鷲は2026年9月の秋場所を東十両3枚目で迎え、10勝5敗を記録した。
序盤は苦戦し、5日目終了時点で1勝4敗。それでも6日目から9連勝と巻き返し、幕内復帰をつかんだ。
注目すべき数字は年齢だけではない。
- 幕内在位:歴代3位となる101場所目
- 幕内勝利数:714勝
- 幕内出場回数:1497回
- 前場所の成績:10勝5敗
- 再入幕時の年齢:41歳11か月
幕内勝利数714勝は稀勢の里と並ぶ歴代7位。今場所で4勝を挙げれば、琴奨菊の718勝に並ぶ。
また、幕内出場回数も1500回の大台まであと3回に迫っている。11月16日には42歳の誕生日を迎える予定だ。
玉鷲の再入幕は、単なるベテラン力士の復帰ではない。十両に落ちても勝負を諦めず、結果を残して再び幕内に戻るという、現役力士としての実力と継続力を示した出来事だ。
北の若・大青山も幕内へ復帰
今回の再入幕は玉鷲だけではない。
北の若は秋場所で東十両6枚目、11勝4敗の好成績を残し、十両優勝も達成。2025年初場所以来、11場所ぶりの幕内復帰となった。
大青山は東十両2枚目で8勝7敗。2026年名古屋場所以来、2場所ぶりに幕内へ戻ってきた。
3人の再入幕にはそれぞれ異なる背景がある。記録更新を伴う玉鷲、十両優勝を経た北の若、勝ち越しで復帰した大青山。幕内下位の戦いは、こうした復帰組の実力を測る舞台にもなる。
【新十両・旭富士と竜鳳】異なる経歴を持つ2人のスピード昇進
2026年11月場所では、旭富士と竜鳳の2人が新十両に昇進した。
日本相撲協会は9月30日に新十両力士を発表。旭富士は伊勢ヶ濱部屋、竜鳳は音羽山部屋からの昇進となった。
旭富士:初土俵から6場所で史上最速タイ
旭富士の昇進で最も注目されるのは、そのスピードだ。
2025年九州場所で初土俵を踏み、2026年秋場所は西幕下筆頭で6勝1敗。これにより、初土俵から所要6場所で十両昇進を決めた。
これは1958年に年6場所制となって以降、付け出し力士を除いて史上最速タイの記録となる。
これまで同記録を持っていたのは、板井、土佐豊、常幸龍、炎鵬の4人。旭富士は彼らに並ぶスピード出世を果たした。
加えて、序ノ口デビューから25連勝を記録し、序ノ口・序二段・三段目・幕下で4場所連続の各段優勝も達成している。
第63代横綱のしこ名を受け継いだことでも話題になった旭富士。十両でどのような相撲を見せるのか、注目度は高い。
竜鳳:19歳の元中学横綱が関取入り
竜鳳は19歳という若さで関取の座をつかんだ。
元中学横綱という経歴を持ち、鳥取城北高校を中退して角界入り。2025年名古屋場所で初土俵を踏み、所要8場所で新十両に到達した。
初土俵から負け越しなしで昇進した点も特徴的だ。
しこ名の「竜」は師匠の音羽山親方(元横綱・鶴竜)の現役時代のしこ名に由来し、「鳳」は出身地である京都府宇治市の平等院鳳凰堂から取られている。
音羽山部屋の創設後、初めての新十両力士という点でも歴史的な昇進となった。
伊勢ヶ濱部屋は関取10人に到達
今回の番付発表で、もう一つ見逃せないのが伊勢ヶ濱部屋の勢力拡大だ。
嵐富士の新入幕に加え、旭富士が新十両に昇進したことで、同部屋の関取は合計10人となった。
内訳は以下のとおり。
| 地位 | 力士 |
|---|---|
| 関脇 | 熱海富士 |
| 小結 | 義ノ富士 |
| 幕内 | 伯乃富士、尊富士、錦富士、寿之富士、嵐富士 |
| 十両 | 翠富士、炎鵬、旭富士 |
同一部屋から関取10人が誕生するのは、1996年初場所の二子山部屋以来。実に約30年ぶりの規模となる。
関取が10人いることは、単に所属力士の数が多いという話にとどまらない。幕内上位から十両まで幅広い階層に力士を送り出しており、部屋全体として高い競争力を持っていることがうかがえる。
【横綱・大関番付】大の里、豊昇龍、安青錦ら上位陣の注目点
新入幕力士やベテランの復帰に注目が集まる一方、優勝争いを左右する横綱・大関陣の顔ぶれも重要だ。
横綱は大の里と豊昇龍
大の里は秋場所で12勝3敗を挙げ、6度目の優勝を達成。九州場所でも東横綱として土俵に上がる。
一方、豊昇龍は秋場所を全休していたため、出場できるかどうかが番付発表後の大きな焦点となっていた。
そして、11月5日、豊昇龍本人が九州場所への出場を明言した。
豊昇龍は7月下旬に右膝の手術を受け、3場所連続休場が続いていた。福岡入り後は出稽古を重ね、師匠の立浪親方とも協議したうえで出場を決断した。
本人は、出場することを自ら希望したと説明している。横綱として復帰する九州場所で、どこまで本来の力を発揮できるかが大きな見どころとなる。
大関は安青錦・琴櫻・霧島の3人
今回の大関陣は次の3人。
- 安青錦(東大関): 秋場所11勝4敗。上位で安定した成績を残した。
- 琴櫻(西大関): 秋場所9勝6敗。大関として勝ち越しを確保。
- 霧島(大関): 秋場所8勝7敗。負け越しを回避し、大関の地位を維持した。
安青錦は優勝争いに絡む力を示しており、今場所でも大の里との対戦が注目される。琴櫻と霧島についても、横綱に対抗できる成績を残せるかが焦点となる。
関脇・小結も顔ぶれが変化
関脇は東に藤ノ川、西に熱海富士。
藤ノ川は2場所連続の関脇で、秋場所は11勝4敗。熱海富士は4場所連続の関脇となった。
小結には新昇進の美ノ海と、2場所ぶりに復帰した義ノ富士が並ぶ。
ここで注目したいのは、三役の顔ぶれに若手と実績ある力士が共存していることだ。藤ノ川や熱海富士が上位で地位を守る一方、美ノ海が初めて三役の重責を担う。
新三役の美ノ海がどこまで勝ち星を伸ばせるかは、今場所の三役争いを読み解く要点になる。
【プロの結論】2026年九州場所の新番付で見るべき3つのポイント
今回の新番付を読み解くうえで、特に重要なのは次の3点だ。
1.新三役・美ノ海が上位で通用するか
美ノ海の昇進は、沖縄県出身力士にとって歴史的な出来事だ。しかし、昇進そのものがゴールではない。三役として上位陣との対戦が増えるなかで、秋場所のような2桁勝利に近い成績を維持できるかが問われる。
2.新入幕3力士が幕内に定着できるか
出羽ノ龍、嵐富士、旭海雄は、それぞれ異なる経歴と持ち味を持つ。特に嵐富士は十両を2場所で通過しており、勢いを幕内でも発揮できるか注目される。
3.玉鷲と豊昇龍が見せる復活への挑戦
41歳11か月で再入幕した玉鷲と、3場所連続休場から復帰する豊昇龍。両者は年齢も立場も異なるが、九州場所で再び存在感を示せるかという共通のテーマを持っている。
番付を確認するときは、単純な昇降だけでなく、前場所の成績、対戦相手の格、昇進までに要した場所数、部屋全体の勢力などを合わせて見ると、相撲の面白さがより深まる。
【大相撲の新番付発表】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年11月場所の新番付はいつ発表されましたか?
A1:2026年10月26日(月)に日本相撲協会から発表されました。九州場所の初日は11月8日、千秋楽は11月22日です。
Q2:2026年11月場所の新小結は誰ですか?
A2:木瀬部屋の美ノ海です。沖縄県出身力士として初の三役昇進で、初土俵から63場所を要した大学相撲出身者の最スロー記録も樹立しました。
Q3:2026年11月場所の新入幕力士は誰ですか?
A3:出羽ノ龍、嵐富士、旭海雄の3人です。再入幕は玉鷲、北の若、大青山の3人です。
Q4:玉鷲の再入幕記録は何歳ですか?
A4:41歳11か月です。昭和以降の最年長再入幕記録で、従来の安美錦の39歳6か月を更新しました。
Q5:新十両に昇進した力士は誰ですか?
A5:旭富士と竜鳳です。旭富士は初土俵から所要6場所で史上最速タイ、竜鳳は19歳で所要8場所の昇進を果たしました。
まとめ:2026年九州場所は新世代とベテランの競演に注目
2026年11月場所の新番付は、10月26日に発表され、美ノ海の新小結昇進、新入幕3人、新十両2人、玉鷲の歴史的な再入幕など、話題の多い内容となった。
横綱は大の里と豊昇龍、大関は安青錦・琴櫻・霧島。さらに伊勢ヶ濱部屋が関取10人を擁するなど、部屋ごとの勢力図にも変化が見られる。
特に注目したいのは、次の力士たちだ。
- 美ノ海: 沖縄県初の三役として挑む新たな15日間。
- 出羽ノ龍・嵐富士・旭海雄: 幕内の舞台で実力を証明する新入幕組。
- 玉鷲: 41歳11か月の最年長再入幕から、さらなる記録更新を目指す。
- 旭富士・竜鳳: 将来の幕内を担うことが期待される新十両。
- 大の里・豊昇龍: 横綱としての存在感と優勝争い。
そして、11月5日に豊昇龍の出場が決まったことで、横綱同士の対戦にも期待が高まっている。
2026年九州場所は、若手の台頭、ベテランの復活、横綱の再起という3つの物語が交差する場所だ。 番付表の順位だけでなく、それぞれの力士がどのような背景を背負って土俵に上がるのか。その視点で15日間を追えば、九州場所をより深く楽しめるはずだ。
主な情報源:日本相撲協会公式サイト「令和八年十一月場所 番付表」「番付トピックス」「新十両力士一覧」、日刊スポーツ、スポーツ報知、共同通信、スポーツナビ。情報基準日:2026年11月5日。