「なんということでしょう」は、テレビ番組『大改造!!劇的ビフォーアフター』から広く知られるようになった名ナレーションです。リフォームによって古い住宅が見違えるほど生まれ変わる場面で使われ、番組を象徴する決めぜりふとして定着しました。初代ナレーターは加藤みどり、2020年11月からは女優のキムラ緑子がその役割を引き継いでいます。
しかし、この言葉は単なるテレビ番組の名ぜりふにとどまりません。現在は、驚くような変化や予想外の結果を表現するネットミームとしても使われています。加えて、番組を印象づけた音楽「TAKUMI/匠」や、2003年の流行語大賞との関係にも興味深い事実があります。
【元ネタを解説】「なんということでしょう」は『大改造!!劇的ビフォーアフター』の名ぜりふ
2002年に始まった人気リフォーム番組が発祥
「なんということでしょう」の元ネタは、ABCテレビ・テレビ朝日系の住宅リフォーム番組『大改造!!劇的ビフォーアフター』です。
同番組は2002年4月に放送を開始しました。
番組の基本的な構成は、住まいに問題を抱える依頼者の住宅を、建築家や設計の専門家である「匠」がリフォームするというものです。
古くなった住宅、使い勝手の悪い間取り、家族構成の変化によって暮らしにくくなった住まいなど、さまざまな事情を抱えた家が取り上げられてきました。
番組の見どころは、リフォーム前の状態と完成後の状態を比較する演出です。
施工前には不便だった場所が、匠のアイデアと技術によって機能的な空間へ変わっていく。その完成した住宅を披露する場面で登場するのが、あの「なんということでしょう」というナレーションです。
単に住宅がきれいになったというだけではなく、依頼者の生活や家族の問題まで改善される。その変化を視聴者に印象づける言葉として機能していました。
「なんということでしょう」という日本語自体は番組発祥ではない
ここで区別しておきたいのが、言葉そのものの歴史とテレビ番組による定着です。
小学館の『デジタル大辞泉』では、「何という」は、驚きや失望などの感情が言葉にできないほど大きい様子を表す表現として説明されています。
つまり、この言い回し自体は番組が新しく作った造語ではありません。
もともと日本語に存在していた感嘆表現を、番組の印象的な場面に繰り返し配置したことで、特定のテレビ演出と結び付いたのです。
この違いは、ネット上で元ネタを説明するときにも大切です。
- 言葉の語源:従来から存在する日本語の感嘆表現
- テレビでの元ネタ:『大改造!!劇的ビフォーアフター』
- 広く知られるようになった理由:加藤みどりのナレーションと劇的な完成映像
- 現在の使われ方:驚き、感動、皮肉、予想外の変化を表す表現
2003年の流行語大賞にも選ばれた
番組の知名度を示す出来事として、2003年の新語・流行語大賞トップテン入りがあります。
ただし、受賞した言葉は「なんということでしょう」ではなく、「ビフォーアフター」です。
当時、番組を代表して授賞式に登壇したのはナレーターの加藤みどりでした。
この受賞によって、番組名やリフォーム演出だけでなく、ナレーションを含めた番組独自の世界観も広く認知されるようになりました。
【誰の声?】加藤みどりからキムラ緑子へ交代した経緯
「なんということでしょう」を聞いて、どこか懐かしい声を思い浮かべる人は少なくありません。
長年このナレーションを担当していたのは声優の加藤みどりです。
その後、2020年にキムラ緑子へ交代しました。
初代ナレーター・加藤みどり
加藤みどりは、2002年4月の番組開始から長年にわたりナレーションを担当した声優です。
明るさと落ち着きを併せ持つ語り口が特徴で、住宅の問題点を紹介する場面から完成後の感動的な場面まで、番組の流れを自然につないできました。
とりわけ「なんということでしょう」というフレーズは、加藤の声と一体になって記憶されている人が多い表現です。
2003年の流行語大賞トップテン入りの際にも、番組を代表して授賞式に出席しています。
約20年にわたって番組を支えたことから、加藤みどりのナレーションは、初期の『劇的ビフォーアフター』を象徴する存在となりました。
2代目ナレーター・キムラ緑子
2020年11月7日、ABCテレビ・テレビ朝日系の番組で、ナレーターが加藤みどりからキムラ緑子へ交代することが発表されました。
キムラ緑子は映画、テレビドラマ、舞台などで幅広く活躍する俳優です。
実は、ナレーターに就任する以前から同番組に複数回ゲスト出演していました。匠のリフォームについて推理したり、設計のアイデアについて意見を述べたりする立場で番組に参加していたのです。
初めてナレーションを担当したのは、2020年11月15日放送の2時間半スペシャルでした。
就任時のインタビューでは、長年番組を見てきた視聴者として、加藤の声が強く印象に残っていることを語っています。また、番組の世界観を壊さずに引き継ぎたいという思いも明かしました。
ナレーター交代の年表と関係者一覧
| 時期 | 人物・出来事 | 番組との関係 |
|---|---|---|
| 2002年4月 | 加藤みどり | 初代ナレーターとして担当開始 |
| 2003年 | ビフォーアフター | 新語・流行語大賞トップテン入り |
| 2020年11月7日 | キムラ緑子 | 新ナレーター就任を発表 |
| 2020年11月15日 | キムラ緑子 | 初めてナレーションを担当 |
| 2026年10月4日 | キムラ緑子 | 最新の2時間スペシャルでも担当 |
なぜナレーターが交代したのか?
気になるのが、加藤みどりが卒業した理由です。
2020年11月の交代発表では、加藤の卒業とキムラへのバトンタッチが説明されました。
一方、交代理由について具体的な事情が公表されたわけではありません。
そのため、健康問題や制作上のトラブル、番組側との対立などを交代理由として断定することはできません。
重要なのは、今回の交代が番組そのものの終了やナレーション演出の廃止を意味するものではなかったことです。
実際、キムラは初回から名ぜりふを引き継ぎました。
MANTANWEBなどの報道によると、初回収録ではプレッシャーも感じていたものの、番組の雰囲気を守ることを意識していたといいます。
加藤の声に親しんできた視聴者にとっては大きな変化でしたが、番組の象徴的な演出は継承されました。
【匠の音楽にも注目】松谷卓の「TAKUMI/匠」が名場面を支える
「なんということでしょう」を思い出すとき、ナレーションだけでなく、ピアノを中心とした印象的な音楽を思い浮かべる人もいるはずです。
その代表的な楽曲が「TAKUMI/匠」です。
作曲家・松谷卓が手掛けた番組音楽
「TAKUMI/匠」を手掛けたのは、作曲家・編曲家・ピアニストとして活動する松谷卓です。
松谷は1998年にオリジナルアルバムでメジャーデビューしました。
映像作品の音楽を数多く担当しており、『大改造!!劇的ビフォーアフター』では番組音楽を全編担当しています。
代表的な楽曲には次の2曲があります。
- 「Inscrutable Battle」:番組のテーマ曲
- 「TAKUMI/匠」:番組の印象的な場面を彩る挿入曲
松谷卓の公式プロフィールでも、この番組の音楽を全編担当したことや、「TAKUMI/匠」が大きな話題になったことが紹介されています。
なぜ「なんということでしょう」と音楽がセットで記憶されるのか
番組の演出では、完成した住宅を見せる映像とナレーション、音楽が組み合わされています。
視聴者は、完成した住宅の映像を目にすると同時に、声と音楽によって感動を受け取ります。
この仕組みが繰り返されることで、特定の言葉を聞いただけでも番組の映像や音楽が頭に浮かぶようになりました。
これはテレビ番組における音響演出の効果です。
単独のセリフとしてではなく、音楽・映像・ナレーションが一体となった演出だからこそ、番組を見ていなかった人にも伝わるほど印象的な表現になったのです。
【ネットミームとしての意味】「なんということでしょう」の使い方と例文
テレビ番組の決めぜりふだった「なんということでしょう」は、現在ではインターネット上でも使われています。
特に、写真や動画で変化を見せる投稿との相性がよく、ビフォーアフター形式のコンテンツでは定番のツッコミとして機能します。
ネットでは褒め言葉にも皮肉にもなる
本来の番組では、驚くほど見事に生まれ変わった住宅を紹介するための言葉でした。
ところが、ネット上では少し違った使われ方もします。
例えば、期待どおりに改善した場合だけでなく、予想外の方向に変化した場合にも使われます。
この場合、言葉の裏側には「どうしてこうなった」という驚きやツッコミのニュアンスがあります。
2008年には、ニコニコ動画用語辞典にも独立した項目が作られており、当時すでにインターネット上で認知されていたことがうかがえます。
日常会話で使える例文
1.大きく改善したとき
「ずっと散らかっていた部屋を片付けて、家具の配置も変えました。なんということでしょう、見違えるほど広くなりました!」
この使い方は、番組本来の意味に近いものです。
2.予想外の変化に驚いたとき
「簡単なDIYのつもりで棚を作ったのに、なんということでしょう。完成したら少し傾いていました」
期待と結果のギャップを表現しています。
3.料理に失敗したとき
「レシピどおりにケーキを作ったはずなのに、なんということでしょう。焼き上がったら別の食べ物のようになってしまいました」
失敗を少しユーモラスに伝えたい場合に使えます。
4.見た目が大きく変わったとき
「髪型を変えて眼鏡も新しくしたら、なんということでしょう。以前とはまったく違う印象になりました」
こちらはポジティブな変化を表す使い方です。
「なんということでしょう」と「どうしてこうなった」の違い
似た場面で使われる言葉に「どうしてこうなった」があります。
両者には微妙なニュアンスの違いがあります。
| 表現 | 主なニュアンス | 使う場面 |
|---|---|---|
| なんということでしょう | 驚き、感動、皮肉 | 見た目や状況が大きく変化したとき |
| どうしてこうなった | 困惑、疑問、ツッコミ | 予想外の結果になった理由が分からないとき |
| なんと素晴らしい | 素直な感嘆や称賛 | 良い結果を評価するとき |
| なんてことだ | 驚き、失望、落胆 | 深刻な事態や予想外の出来事 |
ネットミームとして使う場合、「なんということでしょう」は、元ネタの番組を知っている人ほど演出を想像しやすいという特徴があります。
使うときに気を付けたいポイント
この表現は、基本的に驚きを伝えるための言葉です。
そのため、次のような使い方が自然です。
- 見た目が劇的に変化したとき
- 予想外の出来事が起こったとき
- 良い意味で想像を超えた結果になったとき
- 失敗や珍しい変化をユーモラスに紹介したいとき
一方、深刻な事故や誰かの不幸など、笑いに変えるべきではない場面では使用を避けるのが適切です。
また、ビジネス文書や正式な報告では、具体的な変化や問題点を直接説明する方が伝わります。
【2026年最新】『劇的ビフォーアフター』と「なんということでしょう」の現在の評判
2026年現在も、『大改造!!劇的ビフォーアフター』はABCテレビの公式番組ページで紹介されています。
ただし、かつてのように毎週放送されるレギュラー番組という形ではなく、特別番組を中心とした放送形態です。
2026年10月4日に約1年ぶりの2時間スペシャル
大きな動きとなったのが、2026年10月4日に放送された2時間スペシャルです。
今回の舞台は、奈良県大和郡山市にある築120年以上の古民家でした。
タイトルは「水回りが全部外にある家」。
洗面所、洗濯場、風呂場といった生活に欠かせない設備が屋外にあり、住む人にとって大きな負担となっていた住宅です。
リフォームを担当したのは、匠の坂田基禎。元K-1世界王者の魔裟斗もビフォーアフター工務店の一員として作業に参加しました。
番組のMCは所ジョージ、スタジオゲストは中村梅雀と矢田亜希子です。
そして、ナレーションを担当したのはキムラ緑子でした。
ABCテレビの番組紹介によると、この放送は約1年ぶりの2時間スペシャルです。
2026年の放送でも名ぜりふは健在
10月10日に公開されたABCマガジンの放送後記事でも、リフォーム完成後の場面を紹介する際に「なんということでしょう」という決めぜりふが取り上げられています。
今回のリフォームでは、庭の池を室内から眺められるようにするなど、家族の思い出を大切にした工夫が盛り込まれました。
完成後には、段差なく庭とつながる大型ウッドデッキも登場しています。
この場面でも、おなじみのナレーションが使われました。
つまり、2020年の交代を経た現在も、番組を象徴する演出は続いています。
現在の評判をどう見るべきか
「なんということでしょう」の現在の評価を考える際には、3つの側面があります。
第一に、懐かしさを伴うテレビ番組の象徴であること。
加藤みどりのナレーションを記憶している視聴者にとって、この言葉は2000年代のテレビ番組を思い出すきっかけになります。
第二に、キムラ緑子によって受け継がれた現役の演出であること。
ナレーターが変わっても、決めぜりふが残ったことで、旧来の視聴者と新しい視聴者の双方が番組の特徴を認識できます。
第三に、インターネット上でも使いやすい表現であること。
短く、意味が分かりやすく、映像や写真と組み合わせやすい点が魅力です。
ただし、2026年時点で、この言葉のSNS投稿数やネット上の人気を示す統一的な公式統計が公表されているわけではありません。現在の評判を、特定のSNSで大流行していると断定することはできません。
確認できるのは、番組公式の2026年放送でも使われ、ネット上でも元ネタを説明する用語として認識されているということです。
【プロの結論】「なんということでしょう」が長く愛される理由
「なんということでしょう」が長く記憶されている理由は、単に語感が印象的だからではありません。
番組の演出、ナレーターの声、音楽、そして映像による変化が一つのパッケージとして成立していたからです。
特に重要なのは、次の3つです。
1.言葉と映像が強く結び付いている
視聴者は、この言葉を聞くだけで完成した住宅の映像を想像できます。言葉単体ではなく、繰り返されたテレビ演出の記憶が働いています。
2.ナレーターが交代しても表現の価値が残った
加藤みどりからキムラ緑子への交代は、番組にとって大きな転換点でした。
それでも決めぜりふを引き継いだことによって、番組のアイデンティティーを維持できています。
3.現実の生活からネット文化まで応用できる
住宅のリフォームだけでなく、部屋の片付け、料理、DIY、ファッションなど、変化が分かりやすいテーマなら幅広く使用できます。
この汎用性こそが、テレビ番組からネットミームへと広がった理由の一つです。
読者が元ネタを調べる際には、次の判断基準を覚えておくと混乱しません。
- 声の主を知りたいなら、2020年11月を境に加藤みどりとキムラ緑子を区別する。
- 番組の音楽を知りたいなら、松谷卓の「TAKUMI/匠」を調べる。
- 流行語大賞との関係を知りたいなら、「なんということでしょう」ではなく「ビフォーアフター」が受賞語だった点を確認する。
- ネット上の意味を知りたいなら、称賛だけでなく皮肉やツッコミにも使われることを理解する。
【なんということでしょう】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「なんということでしょう」の元ネタは何ですか?
『大改造!!劇的ビフォーアフター』のナレーションが元ネタです。リフォーム完成後の住宅を紹介する場面で使われ、番組の名ぜりふとして広まりました。
Q2:「なんということでしょう」は誰の声ですか?
初代ナレーターは加藤みどりです。2020年11月15日放送分からはキムラ緑子が担当しています。
Q3:加藤みどりからキムラ緑子に交代した理由は?
2020年11月に加藤の卒業とキムラへの交代が発表されましたが、具体的な交代理由は公表されていません。
Q4:「なんということでしょう」は流行語大賞を受賞しましたか?
2003年にトップテン入りしたのは「ビフォーアフター」です。「なんということでしょう」そのものが受賞語だったわけではありません。
Q5:「TAKUMI/匠」の作曲者は誰ですか?
作曲者は松谷卓です。『大改造!!劇的ビフォーアフター』の番組音楽を全編担当し、テーマ曲「Inscrutable Battle」や挿入曲「TAKUMI/匠」を手掛けました。
Q6:2026年現在も番組は放送されていますか?
はい。2026年10月4日に約1年ぶりの2時間スペシャルが放送されました。ナレーションはキムラ緑子が担当しています。
まとめ:「なんということでしょう」はテレビの名演出から世代を超える表現へ
「なんということでしょう」は、『大改造!!劇的ビフォーアフター』のナレーションを通じて広く知られるようになった表現です。
初代ナレーターの加藤みどりが約20年にわたって番組を支え、2020年11月からはキムラ緑子がその役割を継承しました。
加えて、松谷卓の「TAKUMI/匠」という音楽も加わり、番組ならではの印象的な演出が完成しました。
ネット上では、驚きや感動を表すだけでなく、予想外の失敗や面白い変化を紹介する言葉としても活用されています。
2026年10月のスペシャル放送でも、この決めぜりふは健在でした。
一つのテレビ番組から生まれた印象的な演出が、ナレーターの交代を経ても受け継がれ、日常会話やインターネット文化にまで広がっていること。それこそが「なんということでしょう」という表現の面白さです。
主な事実確認資料: 朝日放送テレビ公式番組ページ、ABCマガジン(2026年10月の放送関連記事)、MANTANWEB、ORICON NEWS、松谷卓公式プロフィール、小学館『デジタル大辞泉』、ニコニコ動画用語辞典。