ヴィクトリアズ・シークレットのモデルを調べると、しばしば「ショーに出演したモデル」「エンジェル」「ブランドアンバサダー」が同じ意味で使われている。
しかし、この3つは必ずしも一致しない。
特に2021年以降はブランドのマーケティング方針が変化しており、2026年のソランジュの就任を理解するには、それぞれの役割を区別する必要がある。
モデルとエンジェルの関係比較表
ジジ・ハディッドとアドリアナ・リマは同じエンジェルなのか?
ここは検索ユーザーが誤解しやすいポイントだ。
ジジ・ハディッドやベラ・ハディッドは2026年のショーに出演しているが、それだけで旧来の専属エンジェル契約を持つという意味にはならない。
一方、アドリアナ・リマやキャンディス・スワンポールは、過去にブランドの公式エンジェルとして活動してきたモデルだ。
アレックス・コンサニも2026年の重要な出演者だが、出演者であることと、ブランドから正式にエンジェルとして選出されることは別の話である。
そしてソランジュ・オモンは、2026年の公開選考を経てブランドから正式に新エンジェルとして紹介された。
この区別が、現在のヴィクトリアズ・シークレットを理解するうえで最も要点だ。
【歴代エンジェル一覧】ヴィクトリアシークレットを象徴した伝説のモデルたち
ヴィクトリアズ・シークレットの歴史を振り返ると、エンジェルは単なるモデルの肩書ではなかった。
ブランドの広告、ファッションショー、テレビ出演などを通じて、世界的な知名度を獲得する存在だった。
1990年代:エンジェル文化の誕生
初期を代表する人物には、次のモデルがいる。
- ステファニー・シーモア(Stephanie Seymour)
- タイラ・バンクス(Tyra Banks)
- カレン・マルダー(Karen Mulder)
- ヘレナ・クリステンセン(Helena Christensen)
- ハイディ・クルム(Heidi Klum)
- ラエティシア・カスタ(Laetitia Casta)
- ダニエラ・ペストヴァ(Daniela Peštová)
1995年にニューヨークのプラザホテルで最初のファッションショーが開催され、1990年代後半にはエンジェルというブランドイメージが確立していった。
特にタイラ・バンクスは、初期のエンジェルを代表する存在として知られる。
2000年代:スーパーモデル黄金期
2000年代は、ヴィクトリアズ・シークレットのエンジェルが国際的なスターとして認知されるようになった時期だ。
代表的な人物と活動時期を整理すると、次のようになる。
| モデル | ショー出演の主な時期 |
|---|---|
| ジゼル・ブンチェン | 1999〜2006年 |
| アドリアナ・リマ | 1999〜2018年 |
| アレッサンドラ・アンブロジオ | 2000〜2017年 |
| ドウツェン・クロース | 2005〜2014年 |
| ミランダ・カー | 2006〜2012年 |
| ロージー・ハンティントン=ホワイトリー | 2006〜2010年 |
ここで注意したいのは、上記がファッションショーの初出演・最終出演を基準とする時期であり、すべてのモデルの専属契約期間を意味するわけではないという点だ。
2010年代:ブランドを象徴するエンジェルの成熟
2010年代には、キャンディス・スワンポール、ベハティ・プリンスルー、リリー・オルドリッジ、ジャスミン・トゥークスなどが存在感を示した。
なかでもキャンディス・スワンポールは、ブランドの広告やランウェイで活躍した代表的なエンジェルの一人だ。
アドリアナ・リマとアレッサンドラ・アンブロジオも長期間にわたりブランドを支え、ヴィクトリアズ・シークレットの象徴的なイメージを形成した。
2021年:VS Collectiveへの方向転換
2021年6月16日、ヴィクトリアズ・シークレットは「The VS Collective」の創設を発表した。
初期メンバーには、次の人物が含まれていた。
- アドゥ・アケチ(Adut Akech)
- パロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)
- イーリーン・グー(Eileen Gu)
- ミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)
- プリヤンカー・チョープラー・ジョナス(Priyanka Chopra Jonas)
- ヴァレンティナ・サンパイオ(Valentina Sampaio)
この取り組みは、モデルだけでなく、スポーツ選手や活動家、クリエイターなど、異なる分野の女性とのパートナーシップを広げるものだった。
つまり、ブランドが発信する女性像を従来のスーパーモデル中心から広げようとしたのである。
2026年のソランジュ・オモンの登場は、この多様化の流れを経たうえで、再びエンジェルという象徴的な肩書を前面に出した出来事として捉えられる。
【ファッションショーの変化】2019年の中止から2026年の復活まで
ヴィクトリアズ・シークレットのモデルを理解するには、ファッションショーそのものの変化も欠かせない。
2019年:定期開催を中止
2018年まで続いたショーは、2019年に中止された。
ロイター通信によると、当時は売り上げの低迷やブランドイメージへの批判、多様な体型を十分に反映していないという問題などが背景にあった。
従来の豪華な演出や特定の美の基準に依存したマーケティングを見直す必要が生まれていた。
2024年:6年ぶりの復活
2024年5月、ブランドはファッションショーの復活を発表した。
公式FAQでは、ランウェイ、ウイング、音楽パフォーマンスなどの伝統的な要素を残しつつ、現代のブランド価値観に合わせて更新する方針を説明している。
単に過去のショーを再現するのではなく、従来のファンと新しい視聴者の両方を意識した再構築だった。
2026年:ショーを継続的なエンターテインメントへ
2026年10月18日のショーは、ロサンゼルスで開催された。
音楽ゲストには次のアーティストが参加した。
- KATSEYE
- ミーガン・モロニー(Megan Moroney)
- ミーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)
- テイト・マクレー(Tate McRae)
加えて、長年の人気企画であるファンタジーブラの復活も実現した。
今回の大きな特徴は、ショーの開催日だけに注目を集めるのではなく、「Angels Among Us」のような連続配信企画を組み合わせたことだ。
ファンはランウェイを見るだけでなく、モデルの選考、トレーニング、撮影、デビューまでの過程を追えるようになった。
この仕組みは、ブランドと視聴者の接点を年間を通じて維持するための戦略としても意味がある。
【ヴィクトリアシークレットモデルになるには】オーディションと必要な準備
「ヴィクトリアシークレットモデルになるには、何をすればいいのか」という疑問を持つ人も多い。
2026年の事例は、従来のモデル業界のルートだけが唯一の方法ではないことを示した。
2026年の公式オーディションは一般公募形式
2026年4月1日、ブランドは「Are There Angels Among Us?」という公式告知を公開した。
内容は全米規模のオープンキャスティングで、一般からモデル志望者を募集するものだった。
選ばれた人には、ファッションショーへの出演機会とIMG Modelsとの独占契約が用意された。
公式募集ページでは、現在、2026年の応募受付は終了したと案内されている。次回募集の日程については、2026年11月5日時点で公式発表を確認できない。
オーディションでは何が見られるのか?
2026年の選考過程とソランジュの事例から、特に注目したい評価要点は次のとおりだ。
1. 自分らしさと個性
身長や体型だけでなく、個人としての魅力や表現力が注目される。
ソランジュについて、ヴィクトリアズ・シークレットのCEOは、彼女の喜び、自信、個性を評価するコメントをPEOPLEのインタビューで発表している。
2. ランウェイでの表現力
モデルには、衣装や演出に合わせて身体の動きや視線をコントロールする能力が求められる。
2026年の選考でも、ファイナリストはランウェイトレーニングを受けていた。
3. 撮影現場での対応力
写真撮影やフィッティングを通じて、衣装やブランドの世界観を表現できることも重要だ。
4. 継続的なプロ意識
ショー出演だけではなく、撮影や仕事上のコミュニケーションを含めて、プロとして活動できることが求められる。
これらは2026年の選考内容から読み取れる実務的な評価ポイントであり、ブランドが公表した固定の採点基準ではない。
IMG Modelsに所属するメリット
IMG Modelsとの契約には、モデルとしての活動を広げる機会がある。
具体的には、モデルのマネジメント、仕事の紹介、ブランドとの接点、国際的なファッション業界での活動などが考えられる。
ただし、契約を獲得したからといって、特定の広告への出演や一定の収入が保証されるわけではない。
ソランジュの事例でも、公式に確認できる受賞内容はショー出演とIMG Modelsとの契約だ。今後の広告出演や収入については別の話として考える必要がある。
日本人が目指す場合に準備したいこと
日本から海外のランウェイを目指す場合、次の準備が現実的だ。
- 自然な表情が分かるポートレート写真を用意する。
- 全身写真や歩き方を確認できる動画を準備する。
- 海外エージェンシーに提出できるプロフィールを整える。
- 英語での基本的なコミュニケーション力を身につける。
- 信頼できるモデル事務所や公式募集情報を確認する。
- オーディションの応募条件や契約内容を必ず確認する。
特に注意したいのは、ヴィクトリアズ・シークレットを名乗る非公式の募集だ。
合格保証をうたって高額な費用を請求する募集や、公式と確認できない相手に個人情報・写真を送らせる募集には慎重になる必要がある。
また、インターネット上では「モデルになるには身長が必ず180cm以上必要」といった情報も見られるが、2026年の公式オープンキャスティング告知には、そのような一律の最低身長条件は明記されていない。
古いモデル業界の慣習と、現在のブランド独自の選考条件を混同しないことが大切だ。
【ヴィクトリアシークレットモデル】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在のヴィクトリアシークレットの新エンジェルは誰?
A1:2026年10月18日に発表されたソランジュ・オモン(Solange Omon)だ。「Angels Among Us」の公開選考で優勝し、ファッションショー出演とIMG Modelsとの独占契約を獲得した。
Q2:ジジ・ハディッドやベラ・ハディッドは歴代エンジェルなの?
A2:2人は2026年のファッションショー出演者だが、出演したという事実だけで旧来の専属エンジェルと同じ契約上の立場になるわけではない。
Q3:アドリアナ・リマは2026年も出演した?
A3:出演した。2026年10月18日の公式ランウェイ資料に名前が掲載されている。歴代エンジェルの代表格として、現在もブランドの重要な存在だ。
Q4:ヴィクトリアシークレットモデルのオーディションは誰でも応募できる?
A4:2026年は全米規模の一般公募が実施された。ただし、応募条件や募集対象は企画ごとに異なる。2026年の募集はすでに終了しており、次回の開催時期は未発表だ。
Q5:ヴィクトリアシークレットモデルになるにはIMG Modelsへの所属が必要?
A5:すべての出演モデルがIMG Models所属である必要があるとは公式に発表されていない。2026年の「Angels Among Us」では優勝者にIMG Modelsとの契約が用意されたが、通常のショー出演と今回の特別選考は区別する必要がある。
Q6:Angels Among Usはどこで見られる?
A6:ヴィクトリアズ・シークレットの公式YouTubeチャンネルで配信されている。2026年11月5日時点ではエピソード1〜6が公開され、最終回は11月22日に予定されている。
まとめ:2026年の新エンジェル誕生が示すブランドの未来
2026年のヴィクトリアズ・シークレットは、歴代のスターと新世代のモデルを同じランウェイに集めた。
アドリアナ・リマ、アレッサンドラ・アンブロジオ、キャンディス・スワンポールといった歴代エンジェルの存在感は健在であり、ジジ・ハディッド、ベラ・ハディッド、アレックス・コンサニらも新しい時代のショーを彩った。
そして、最も大きな転換点となったのがソランジュ・オモンの新エンジェル就任だ。
10万人以上が参加した一般公募から新しいブランドの顔を選び、IMG Modelsとの契約まで用意したことは、モデルの発掘方法そのものを変える試みでもある。
【プロの結論】注目すべきはモデルの名前よりも選出の仕組み
2026年のラインアップを読み解く際には、次の3点を押さえておきたい。
1. 出演者とエンジェルは別の概念。 ランウェイに立っただけで専属エンジェルになったとは限らない。
2. 歴代のブランド力と新世代の個性が共存している。 過去の人気モデルを再登場させながら、新しい才能を発掘している。
3. モデル発掘が視聴者参加型の企画へ進化している。 Angels Among Usは、ショーとドキュメンタリー、一般公募を結び付けた新しい取り組みだ。
今後の注目点は、ソランジュが2027年以降の広告やキャンペーンでどのような役割を担うのか、そしてAngels Among Usのような一般参加型の選考が継続されるのかという点にある。
ヴィクトリアズ・シークレットのモデル史は、単なる美しいランウェイの記録ではない。時代によって変わる美の基準と、ファッションブランドが求める女性像の変化を映し出す歴史でもある。
2026年は、その新しい章が始まった年として記憶されることになりそうだ。