2026年のセ・リーグは、阪神タイガースが79勝62敗2分、勝率.560で優勝。巨人は76勝64敗3分、勝率.543で2位となった。首位とのゲーム差は2.5。最後まで優勝争いに加わったものの、あと一歩及ばなかった。
NPB(日本野球機構)の公式順位表では、巨人の成績は次のとおりだ。
| 項目 | 2026年の記録 |
|---|---|
| 順位 | 2位 |
| 試合数 | 143試合 |
| 勝利 | 76勝 |
| 敗北 | 64敗 |
| 引き分け | 3分 |
| 勝率 | .543 |
| 首位とのゲーム差 | 2.5 |
阪神との差を生んだ攻撃力
数字を詳しく見ると、巨人の課題は打撃面にあった。
チーム打率は.234でリーグ4位。本塁打は103本で同じく4位、得点は486点だった。
一方、阪神は打率.246、本塁打125本、518得点を記録している。巨人は得点力で阪神を下回り、シーズンを通じて攻撃の厚みを欠いた。
特に本塁打数の差は22本。長打によって試合の流れを変える力に改善の余地が残った。
ただし、巨人には別の強みもあった。盗塁は99個でリーグトップ。機動力を使って得点機会をつくる攻撃は、2027年にも引き継げる財産だ。
投手陣はリーグ上位の安定感
投手成績は打撃とは対照的だった。
チーム防御率は2.80でリーグ2位。失点は444点、奪三振は1172個だった。
阪神の防御率2.79に迫る数字であり、投手力そのものが2位という結果の原因だったわけではない。
むしろ、投手陣が作った接戦を打線が勝ち切れるかどうかが、2027年の大きなテーマになる。
【巨人2026年の主力選手】ダルベック25本塁打と井上温大の躍進
2026年の巨人を振り返るうえで、外国人打者と若手投手の活躍は欠かせない。
ダルベックがチーム最多の25本塁打
打線の中心となったのがダルベックだ。
NPB公式の個人成績によると、135試合に出場し、492打数124安打、打率.252を記録した。
注目すべき数字は以下のとおり。
- 本塁打:25本
- 打点:81
- 安打:124本
- 打率:.252
- 出塁率:.315
- 長打率:.457
25本塁打と81打点はチームの中軸を担ったことを示す数字だ。
一方で、181三振という記録も残している。長打力を持つ反面、確実性には課題があり、2027年も同じ役割を期待するなら、三振を減らしながら長打力を維持できるかがポイントになる。
井上温大が先発陣をけん引
投手陣で特に目立ったのは井上温大だ。
2026年の成績は23試合登板、10勝8敗、防御率2.02。奪三振は146個に達した。
| 項目 | 成績 |
|---|---|
| 登板 | 23試合 |
| 勝利 | 10勝 |
| 敗北 | 8敗 |
| 防御率 | 2.02 |
| 投球回 | 147回 |
| 奪三振 | 146個 |
防御率2.02は、先発投手として非常に評価できる数字だ。147イニングを投げて146奪三振という内容からも、試合を作る能力と三振を奪う力の両方がうかがえる。
2027年は井上が先発ローテーションの柱として定着できるかが注目される。
そのほかの注目選手
2026年は特定の選手だけでなく、複数の選手がそれぞれの役割を果たした。
- 浦田俊輔: 打率.271、36盗塁。機動力で攻撃を支えた。
- 泉口友汰: 打率.264、120安打、8本塁打、49打点。
- 大城卓三: 打率.260、10本塁打、43打点。
- 佐々木俊輔: 打率.253、10本塁打、39打点。
- マルティネス: 42セーブ、防御率1.38。守護神として活躍。
- 田中瑛斗: 61試合登板、42ホールド、ホールドポイント45。
特にマルティネスの42セーブと田中瑛斗の45ホールド要点は、リリーフ陣の安定感を示す数字だ。
2026年の成績・人物・役割の関係一覧
ここまでの公式記録と球団発表を整理すると、2026年から2027年にかけての巨人の変化は次のようになる。
【クライマックスシリーズの結果】巨人はDeNAに連敗して敗退
2026年の巨人はレギュラーシーズンを2位で終え、クライマックスシリーズのファーストステージに進出した。
対戦相手は3位の横浜DeNAベイスターズ。東京ドームでの2連戦となった。
シリーズ結果
NPB公式のクライマックスシリーズ試合記録に基づく
2試合でわずか2得点という課題
第1戦は1対2、第2戦は1対4。巨人は2試合連続で1得点に終わった。
第1戦の先発は井上温大、第2戦は竹丸和幸。シーズン中に投手陣を支えた両投手が登板したものの、打線の援護が十分ではなかった。
レギュラーシーズンではDeNAを上回る順位を確保していただけに、短期決戦で攻撃力を発揮できなかったことは大きな反省材料だ。
CSはレギュラーシーズンの順位を証明する場ではなく、限られた試合で勝ち切る場である。先発投手の出来だけでなく、得点圏での打撃、代打の起用、継投のタイミングなど、細かな判断が勝敗を左右する。
今回の敗退は、2027年のチーム編成と試合運びを考えるうえでも重要な材料になる。
【阿部慎之助監督から松井秀喜監督へ】監督交代の理由と経緯
2026年の巨人を語るうえで避けて通れないのが、シーズン途中に起きた監督交代だ。
阿部慎之助監督は2024年にリーグ優勝を達成したが、2026年5月に辞任。橋上秀樹氏が監督代行を務める異例の体制に移行した。
5月26日に阿部監督の辞任が受理される
阿部監督の辞任は、単なる成績不振による交代ではなかった。
2026年5月25日に発生した家庭内での暴行事案について球団が事実関係を確認し、翌26日に阿部監督から辞任の申し出があった。球団はこれを受理した。
山口寿一オーナーは、監督を続けることは許されないと判断した旨を説明している。
この件は球団にとっても極めて異例の事態だった。シーズン途中での監督交代となり、チーム運営にも大きな影響が及んだ。
橋上秀樹監督代行がシーズンを引き継ぐ
5月26日、NPBは阿部監督に代わって橋上秀樹オフェンスチーフコーチが監督代行を務めると発表した。
山口オーナーは、橋上氏にシーズン終了まで指揮を任せる意向を説明。後任監督については当時、白紙とされていた。
橋上氏は攻撃部門を担当していたコーチであり、シーズン途中の難しい状況でチームを引き継いだ。
その後、巨人は76勝64敗3分の2位でレギュラーシーズンを終了。監督代行体制のもとで最後まで上位争いを続けた。
10月23日、松井秀喜氏の監督就任が発表
レギュラーシーズン終了後、球団が次期監督として選んだのが松井秀喜氏だった。
10月23日に山口オーナーと松井氏が就任会見を実施。オーナーによると、シーズン終了後に就任を要請し、およそ1週間後に松井氏から受諾の返答があった。
山口オーナーは2026年を球団にとって「一つの危機であった年」と位置づけ、強い巨人を取り戻すために松井氏へ監督を要請したと説明した。
松井氏自身も、アメリカでの生活や家族との関係を考えて就任を悩んだことを明かしている。そのうえで、巨人の力になりたいという思いから引き受けた。
【2027年の巨人新体制】松井秀喜・高橋由伸・清水隆行の役割
2026年10月30日、巨人は2027年シーズンのコーチングスタッフを発表した。
新体制の中心となるのは、監督の松井秀喜氏、ヘッドコーチの高橋由伸氏、打撃チーフコーチの清水隆行氏だ。
松井秀喜新監督が掲げるチームづくり
松井秀喜氏は1974年6月12日、石川県生まれ。1992年のドラフト会議で巨人から1位指名を受け、プロ入りした。
巨人では長嶋茂雄監督の指導を受けながら主軸打者として成長。2003年にニューヨーク・ヤンキースへ移籍し、2009年にはワールドシリーズMVPを獲得した。
日米通算507本塁打を記録し、2013年には長嶋茂雄氏とともに国民栄誉賞を受賞している。
今回の監督就任は、現役引退後初めて巨人のユニホームを着てチームを指揮する大きな転換点となる。
松井監督が就任会見で語ったチームづくりの考え方で注目されるのは、選手が自ら成長できる環境の整備だ。
巨人のまず原点に1回立ち返るという意味のことは話したいなと思ってました。
また、選手やコーチ、球団が知恵を出し合い、選手自身が成長していく環境をつくるという考えも示した。
これは単に過去の黄金時代を再現するという話ではない。育成、指導、編成を一体化し、長期的に強いチームをつくる方向性と受け取れる。
高橋由伸ヘッドコーチの復帰
高橋由伸氏は2016年から2018年まで巨人の監督を務めた人物だ。
今回の新体制ではヘッドコーチとして復帰する。
球団の説明によれば、高橋氏は攻撃部門と守備部門の各コーチをまとめ、得点増と失点抑止に向けて各部門の責任を明確にする役割を担う。
2026年は一軍にヘッドコーチを置かない体制だったが、2027年は再びこの役職を設ける。
これは監督にすべての判断を集中させず、部門ごとの連携と責任体制を強化する狙いがある。
清水隆行打撃チーフコーチの役割
清水隆行氏は巨人OBで、2027年は一軍の打撃チーフコーチを担当する。
2026年の巨人はチーム打率.234、本塁打103本という成績だった。
投手陣がリーグ2位の防御率を記録した一方で、打撃は打率・本塁打ともにリーグ4位。攻撃面の改善は明確な課題だ。
清水コーチに期待されるのは、打者それぞれの特徴を生かしながら、チーム全体の得点力を高めることだろう。
ダルベックのような長距離打者だけに頼らず、出塁、進塁打、得点圏での対応を組み合わせる打線づくりが求められる。
2027年の一軍・二軍・三軍コーチングスタッフ
10月30日の発表時点で公表された主な陣容は次のとおり。
| 部門 | 役職 | 氏名 |
|---|---|---|
| 一軍 | 監督 | 松井秀喜 |
| 一軍 | ヘッドコーチ | 高橋由伸 |
| 一軍 | 打撃チーフコーチ | 清水隆行 |
| 一軍 | ディフェンスチーフ | 川相昌弘 |
| 一軍 | 投手チーフコーチ | 杉内俊哉 |
| 一軍 | 投手コーチ | 内海哲也 |
| 一軍 | バッテリーチーフ | 村田善則 |
| 二軍 | 監督 | 会田有志 |
| 二軍 | 打撃チーフ | 金城龍彦 |
| 三軍 | 監督 | 高木康成 |
| 三軍 | 打撃コーチ | 大田泰示 |
| 巡回 | 打撃コーチ | 石井琢朗 |
| 巡回 | 投手コーチ | 久保康生 |
なお、一軍打撃コーチと三軍内野守備走塁コーチは、10月30日の発表時点で未定だった。
二軍監督に会田有志氏、三軍監督に高木康成氏を配置することも注目点だ。球団は、ファームの育成責任者としての経験を持つ両氏を二軍・三軍監督に据え、中期的な視野で選手育成を進める狙いを説明している。
2027年の巨人が取り組むべき3つの課題
新体制の顔ぶれと2026年の成績を照らし合わせると、注目点は次の3つに整理できる。
1. チーム打率と長打力の改善
打率.234、本塁打103本という数字を改善すること。ダルベック以外の選手にも安定した得点力を求めたい。
2. 投手陣の強みを維持する
井上温大、竹丸和幸ら先発陣の成長と、マルティネスを中心とした救援陣の安定が重要になる。
3. 二軍・三軍から一軍への育成ルートを強化する
若手選手が一軍で活躍するまでの育成体制を整え、将来の主力を継続的に生み出す必要がある。
松井監督の発言と球団の人事を見る限り、2027年は短期的な勝利だけでなく、中長期のチームづくりにも比重を置くシーズンになりそうだ。
【巨人の歴代監督とリーグ優勝回数】松井秀喜は第16代監督
読売ジャイアンツは日本プロ野球を代表する伝統球団だ。
1950年の2リーグ制以降、セ・リーグ優勝は通算39回、日本一は22回。最後のリーグ優勝は2024年で、日本一は2012年が最後となっている。
歴代監督の中でも、特に優勝回数が多い人物は次のとおりだ。
| 監督 | 主な在任期間 | リーグ優勝 |
|---|---|---|
| 川上哲治 | 1961~1974年 | 11回 |
| 原辰徳 | 2002~2023年(3期) | 9回 |
| 水原茂 | 1950~1960年 | 8回 |
| 長嶋茂雄 | 1975~2001年(2期) | 5回 |
| 藤田元司 | 1981~1992年(2期) | 4回 |
| 王貞治 | 1984~1988年 | 1回 |
| 阿部慎之助 | 2024~2026年 | 1回 |
| 高橋由伸 | 2016~2018年 | 0回 |
| 堀内恒夫 | 2004~2005年 | 0回 |
川上哲治監督のV9が象徴する巨人の黄金時代
巨人の歴史を語るうえで欠かせないのが、川上哲治監督時代のV9だ。
1965年から1973年まで9年連続で日本一を達成。リーグ優勝と日本シリーズ制覇を長期間にわたって続けた。
その後も長嶋茂雄監督、原辰徳監督らがチームを優勝に導いている。
特に原監督は3度の監督就任を通じて9回のリーグ優勝を記録した。これは川上監督に次ぐ実績だ。
一方、2016年から2018年まで指揮を執った高橋由伸氏はリーグ優勝を達成できなかった。2027年はヘッドコーチという立場で、再び巨人の優勝を目指すことになる。
松井秀喜監督は黄金時代を再構築できるか
松井監督は、巨人の歴史を象徴する選手の一人だ。
ただし、選手としての実績と監督としての実績は別物である。
選手の能力を見極めること、コーチ陣をまとめること、シーズンを通じた戦力運用を行うことなど、監督には異なる能力が求められる。
高橋ヘッドコーチとの役割分担が機能し、清水打撃チーフコーチらが攻撃面を改善できれば、チーム再建に向けた大きな一歩になる。
松井監督にとって2027年は、巨人の伝統を受け継ぐだけでなく、自身の指導者としての方向性を示す最初のシーズンとなる。
【巨人プロ野球2026年】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:巨人の2026年の最終順位と成績は?
A1:セ・リーグ2位で、76勝64敗3分、勝率.543だった。優勝した阪神とは2.5ゲーム差だった。
Q2:巨人は2026年のクライマックスシリーズでDeNAに勝った?
A2:ファーストステージで2連敗し、敗退した。10月10日は1対2、11日は1対4だった。
Q3:2027年の巨人の新監督は誰?
A3:松井秀喜氏。2026年10月23日に就任会見が行われ、翌シーズンから一軍監督を務める。
Q4:高橋由伸氏と清水隆行氏の役職は?
A4:高橋由伸氏はヘッドコーチ、清水隆行氏は打撃チーフコーチ。攻撃力の向上とチーム全体の統括を担う。
Q5:2026年の巨人で最も本塁打を打った選手は?
A5:ダルベック。135試合に出場し、25本塁打、81打点を記録した。
Q6:2026年の巨人で投手成績が優秀だった選手は?
A6:井上温大が防御率2.02、146奪三振を記録した。救援ではマルティネスが42セーブを挙げた。
まとめ:松井秀喜新監督の巨人は2027年に再び頂点を目指す
2026年の読売ジャイアンツは、76勝64敗3分でセ・リーグ2位という成績を残した。
ダルベックの25本塁打、井上温大の防御率2.02、マルティネスの42セーブなど、個人レベルでは評価できる成果も多かった。
しかし、チーム打率.234、本塁打103本という数字が示すように、攻撃力には改善の余地が残った。DeNAとのクライマックスシリーズでも2連敗を喫し、短期決戦での得点力不足が浮き彫りになった。
そして、シーズン途中の阿部慎之助監督の辞任を経て、2027年は松井秀喜監督が新たにチームを率いる。
高橋由伸ヘッドコーチ、清水隆行打撃チーフコーチという新しい指導体制は、攻守の立て直しと若手育成を両立させるための布陣だ。
2027年の巨人を評価するうえで注目したいのは、次の3点である。
- 打率・本塁打・得点力がどこまで改善するか。
- 井上温大ら若手投手が先発陣の中心として成長するか。
- 松井監督と高橋ヘッドコーチの連携によって、若手育成と一軍の勝利を両立できるか。
巨人が目指すのは、単なる監督交代による話題づくりではない。長い歴史の中で培ってきた勝利への姿勢を、現代のプロ野球に合ったチームづくりへつなげることだ。
2024年以来のリーグ優勝、そして2012年以来の日本一へ。松井新監督が率いる2027年の巨人は、その再挑戦の第一歩を踏み出す。
主な参考資料:日本野球機構(NPB)2026年度公式戦順位表・個人成績・クライマックスシリーズ記録、読売巨人軍のコーチングスタッフ発表、2026年10月23日松井秀喜監督就任会見、日刊スポーツ・TBS NEWS DIGの報道。