漫画『恋と嘘』は、漫画家・ムサヲによる恋愛作品です。政府が16歳になる国民に結婚相手を通知する「ゆかり法」が施行された未来の日本を舞台に、根島由佳吏、高崎美咲、真田莉々奈の複雑な恋愛模様を描いています。
2026年11月現在、原作漫画は全12巻で完結しています。ただし、最終12巻には「美咲編」と「莉々奈編」の2種類が存在し、由佳吏が最後に結ばれる相手が異なります。これは単なる特装版や番外編ではなく、作者が構想した2つの正式なエンディングです。
【作品の基本情報】恋と嘘の漫画のあらすじとゆかり法とは?

『恋と嘘』の最大の特徴は、恋愛という個人の感情が、国家の制度によって管理されている世界設定です。
物語の舞台は、超・少子化対策基本法、通称「ゆかり法」が施行された少し未来の日本。国民は満16歳になると政府から結婚相手を通知され、その相手との結婚を前提とした人生を歩むことになります。
政府は科学的な相性をもとにパートナーを選び、国民はその制度によって将来の相手を決められます。恋愛相手を自分で探す必要がなく、国が選んだ相手こそ幸せになれる相手だという価値観が社会に浸透しています。
しかし、そんな制度に従うことと、自分の気持ちに正直になることは必ずしも一致しません。
主人公・根島由佳吏に届いた政府通知
主人公の根島由佳吏(ねじま・ゆかり)は、周囲から「ネジ」と呼ばれる普通の男子高校生です。古墳好きという一面を持ち、目立つタイプではありませんが、小学生の頃から高崎美咲に恋心を抱いていました。
16歳の誕生日を迎える夜、由佳吏は長年の想いを美咲に伝えます。ところが、気持ちが通じ合った直後に届いた政府通知に記されていたのは、美咲ではなく真田莉々奈という少女の名前でした。
好きな人と両想いになれたのに、国から指定された結婚相手は別の女性。由佳吏は、制度に従うべきなのか、それとも自分の恋心を貫くべきなのかという問題に直面します。
恋愛漫画でありながら社会制度を問いかける作品
本作は一見すると三角関係を描いた青春ラブストーリーですが、物語の根底には「人を好きになるとは何か」という問いがあります。
政府通知によって結婚相手が決まっている社会であっても、誰かを好きになる気持ちまで完全に管理できるのでしょうか。
由佳吏、美咲、莉々奈の3人がそれぞれの立場から恋愛と向き合う姿が、作品全体を通じた大きな見どころです。
【登場人物と相関図】根島由佳吏・高崎美咲・真田莉々奈の関係
『恋と嘘』の物語を理解するうえで欠かせないのが、由佳吏を中心とした人間関係です。
特に美咲と莉々奈は、単純な恋のライバルという関係ではありません。互いの気持ちを知りながら、由佳吏との関係や自分自身の感情に向き合っていく点が、本作の特徴です。
主要登場人物・関係性一覧
| 登場人物 | 由佳吏との関係 | 物語における役割 | アニメ声優 |
|---|---|---|---|
| 根島由佳吏 | 主人公 | 美咲への初恋と政府通知の相手である莉々奈との間で揺れる少年 | 逢坂良太 |
| 高崎美咲 | 初恋の相手 | 由佳吏と想いを通わせる少女。物語の重要な秘密を抱えている | 花澤香菜 |
| 真田莉々奈 | 政府通知の相手 | 当初は由佳吏と美咲の恋を応援するが、次第に由佳吏に惹かれていく | 牧野由依 |
| 仁坂悠介 | 親友・クラスメイト | 由佳吏の友人であり、自身の恋心も物語に関わる重要人物 | 立花慎之介 |
| 五十嵐柊 | 美咲の中学時代の同級生 | 美咲の秘密や政府通知に関する事情を知る人物 | 喜多村英梨 |
| 矢嶋基 | 政府通知の担当者 | 厚生労働省の職員。政府通知制度に関わる事情を抱えている | 谷山紀章 |
| 一条花月 | 政府通知の担当者 | 厚生労働省の職員として由佳吏の通知を担当する | 黒沢ともよ |
上記のキャラクター情報とアニメ版のキャストは、テレビアニメ公式サイトの人物紹介に基づいています。
高崎美咲はなぜ秘密を抱えているのか
美咲はクラスの人気者で、男子生徒から憧れられる存在です。しかし、自分自身について多くを語らず、由佳吏に対しても簡単には本音を見せません。
その態度には、単に恋愛に不器用というだけではない事情があります。物語が進むにつれて、政府通知と由佳吏をめぐる重大な秘密が明らかになっていきます。
美咲の行動を理解するには、表面的な言葉だけでなく、彼女が何を守ろうとしているのかに注目する必要があります。
真田莉々奈は単なる政府指定の相手ではない
莉々奈は、由佳吏の政府通知に記された結婚相手です。成績優秀で負けず嫌いな一方、人付き合いは得意ではありません。
最初は由佳吏が美咲を好きだと知り、2人の恋を応援しようとします。しかし、一緒に過ごす時間が増えるにつれて、自分自身も由佳吏に惹かれていることに気づいていきます。
莉々奈の魅力は、政府通知によって結ばれた関係を、単なる義務として受け入れないところです。自分の気持ちを確かめながら、相手の幸せと自分の幸せの間で葛藤していきます。
【全12巻完結】恋と嘘の最終巻が美咲編・莉々奈編に分かれた理由
『恋と嘘』は2014年8月にマンガボックスで連載を開始しました。2015年1月9日には講談社コミックスから第1巻が発売され、2022年1月7日に最終12巻が刊行されています。
注目すべきなのは、最終巻が1種類ではなく、「恋と嘘(12)美咲編」と「恋と嘘(12)莉々奈編」の2冊として発売されたことです。
連載開始から完結までの主な経緯
- 2014年8月:マンガボックスで連載開始。
- 2015年1月9日:講談社コミックスから第1巻発売。
- 2017年7月:テレビアニメの放送開始。
- 2021年4月:第280話の更新後、最終章の執筆に向けて休載。
- 2022年1月7日:最終12巻の美咲編・莉々奈編が同時発売。
- 2026年11月:漫画は全12巻で完結済み。2種類の最終巻も刊行済み。
作者ムサヲが考案した2つのエンディング
この2種類の結末は、出版社が別々の展開を付け足したものではありません。作者のムサヲ自身が構想した、由佳吏の2つの選択を描くための仕組みです。
2022年1月のReal Soundのインタビューで、ムサヲはコミックス第3巻が発売される頃、アニメ関係者との打ち合わせを通じて物語の終わらせ方を考え始めたと説明しています。
そこで思いついたのが、物語を2つのルートに分け、それぞれ異なるエンディングを迎える方法でした。販売部にも確認し、実現できることが分かったため、2種類の最終巻という異例の形式が採用されました。
また、2021年の休載告知では、作者が由佳吏のそれぞれの選択を優劣なく読んでほしいという意向を示しています。
つまり、どちらか一方を正解として提示するのではなく、美咲を選ぶ未来と莉々奈を選ぶ未来の両方を作品として成立させることが狙いだったのです。
最終12巻の書誌情報と購入時の注意点
| 項目 | 美咲編 | 莉々奈編 |
|---|---|---|
| 正式名称 | 恋と嘘(12)美咲編 | 恋と嘘(12)莉々奈編 |
| 著者 | ムサヲ | ムサヲ |
| 発売日 | 2022年1月7日 | 2022年1月7日 |
| ISBN | 9784065263945 | 9784065263952 |
| 紙版価格 | 528円(税込・発売時定価) | 528円(税込・発売時定価) |
| ページ数 | 192ページ | 192ページ |
| 結末 | 由佳吏と美咲が結ばれる | 由佳吏と莉々奈が結ばれる |
ここで購入時に注意したいのが巻数の数え方です。
作品としては全12巻ですが、最終12巻が2冊に分かれています。そのため、1〜11巻をそろえたうえで、両方の結末を読む場合は12巻を2種類購入する必要があります。
通常版を各巻1冊ずつそろえる場合、両方の12巻を含めて合計13冊です。12巻の美咲編だけ、あるいは莉々奈編だけを購入しても、もう一方の結末は読めません。
【最終回ネタバレ】美咲編と莉々奈編の結末はどう違う?
ここからは最終12巻の重大なネタバレを含みます。まだ結末を知りたくない人は、先に漫画を読んでから確認してください。
共通する展開:美咲が抱えていた秘密が明らかになる
2つのルートでは、物語の終盤で五十嵐柊らを通じて、美咲が由佳吏を守るために交わした取引の内容が明らかになります。
美咲は由佳吏のために重大な決断をしており、その背景には彼女自身が抱えてきた秘密がありました。
この真実を知った由佳吏は、自分がこれまで信じていた恋愛や政府通知の意味を改めて考えることになります。
その後の大きな分岐によって、美咲編と莉々奈編はそれぞれ異なる結末へ進んでいきます。
美咲編:初恋の相手・高崎美咲を選ぶ結末
美咲編では、由佳吏が高崎美咲を選ぶ道を進みます。
美咲は、由佳吏が自分を選ばなくてもいいという気持ちを抱えながら、彼の幸せを願っていました。しかし、心の奥底では由佳吏への恋心を捨てきれません。
由佳吏は美咲と向き合い、彼女と一緒に生きたいという自分の気持ちを示します。2人は互いの想いを確かめ、政府通知によって決められた関係ではなく、自分たちの意思で結ばれる道を選びます。
このルートの見どころは、長年の初恋を貫こうとする由佳吏と、自分の気持ちを押し殺してきた美咲の関係に決着がつくことです。
美咲が抱えていた嘘の意味を理解したうえで、由佳吏が彼女を選ぶ展開には、作品タイトルである『恋と嘘』の意味も重なります。
莉々奈編:政府通知の相手から本当に好きな人へ
一方、莉々奈編では、由佳吏が真田莉々奈と結ばれる道を選びます。
美咲を大切に思っていた由佳吏ですが、物語を通して莉々奈と過ごす時間も積み重ねてきました。莉々奈は由佳吏の恋を応援する立場から、いつしか自分自身も彼を好きになっていました。
このルートでは、由佳吏が自分の気持ちと向き合い、莉々奈への想いを自覚していきます。そして、彼女に結婚を申し込み、莉々奈もその気持ちに応えます。
最終話では、2人の結婚式が描かれ、政府通知によって始まった関係が、自分たちの意思で選び取った愛情へと変わったことが示されます。
この結末の魅力は、最初から運命の相手として指定されていた莉々奈が、最後には制度上の相手ではなく、由佳吏自身が選んだ大切な人になることです。
美咲編と莉々奈編の違いを比較
両方の最終巻は、単に最後のページだけを差し替えた作品ではありません。共通する展開を持ちながら、分岐後は人物の表情や会話、選択に至る心情も異なっています。
- 美咲編:初恋を貫き、長く想い続けた相手と結ばれる物語。
- 莉々奈編:一緒に過ごす中で育った恋心を認め、政府通知の相手と結ばれる物語。
- 共通点:どちらも由佳吏が自分の気持ちと向き合い、誰かを選ぶことの意味を描いている。
ムサヲはインタビューで、美咲編から先に制作したことも明かしています。美咲は簡単な説得で納得する人物ではないため、プロットやネームの制作に相当な時間をかけたそうです。
一方、莉々奈編では同じ場面であっても表情や言葉のニュアンスを変える必要があり、別の難しさがあったと振り返っています。
作者自身が両方のヒロインに肩入れするのではなく、それぞれ異なる魅力を持つ人物として描き分けた点も、この作品の独自性です。
【アニメと漫画の違い】恋と嘘のアニメは原作何巻まで?
『恋と嘘』は2017年7月3日からテレビアニメが放送されました。TOKYO MX、tvk、サンテレビ、KBS京都、BS11、AT-Xなどで放送され、全12話で構成されています。
主要キャストは、根島由佳吏役が逢坂良太、高崎美咲役が花澤香菜、真田莉々奈役が牧野由依、仁坂悠介役が立花慎之介です。
アニメ最終回は漫画の最終巻とは異なる
テレビアニメ第12話のタイトルは「恋と嘘」です。
最終話では、莉々奈が由佳吏に美咲を選ぶべきだと伝え、政府通知を解除するために、しばらくお互いを嫌っているふりをしようと提案します。
つまり、アニメは3人の関係に決着がつく前の段階で物語を終えています。
そのため、アニメを最後まで見ても、美咲編と莉々奈編のどちらの結末になるのかは分かりません。漫画の最終12巻で初めて、2種類の結末を確認できます。
アニメの続きは漫画6巻から読むのがおすすめ
アニメの続きを原作で読みたい場合は、6巻から読み始めるのが目安です。
アニメは原作の1〜5巻を中心に映像化しており、6巻以降では莉々奈の選択や美咲の秘密など、物語の核心に迫る展開が本格化していきます。
ただし、アニメと漫画では演出や細かな展開に違いがあるため、登場人物の心情を最初から追いたい人には1巻からの読み直しがおすすめです。
2026年にはアニメ全12話の期間限定無料配信も実施
2026年には、講談社が新作コミックスの発売を記念し、YouTubeの「フルアニメTV」でテレビアニメ全12話の期間限定無料配信を告知しました。
配信期間は第1〜6話が2026年8月19日から9月16日、第7〜12話が9月17日から10月14日まででした。2026年11月現在、この告知された期間は終了しています。
漫画だけでなく、アニメを改めて楽しむ機会も設けられたことは、2026年時点で押さえておきたい関連情報です。
【全巻購入・電子書籍】恋と嘘の漫画を試し読みする方法
『恋と嘘』をこれから読み始める場合、紙の単行本と電子書籍のどちらでも探せます。
講談社の公式作品ページでは、作品の既刊情報や第1話の試し読みが案内されており、最終12巻の美咲編・莉々奈編についても電子版の刊行情報が掲載されています。
紙の単行本で読む場合
紙で全巻をそろえる場合は、1巻から11巻までを購入し、最後にどちらの12巻を読むか選ぶ方法が基本です。
両方のエンディングを楽しみたいなら、12巻の美咲編と莉々奈編を両方購入しましょう。
中古書店やオンライン書店で探す場合は、巻数だけで判断せず、商品名に「美咲編」「莉々奈編」と書かれているか確認することが大切です。
電子書籍で読む場合
電子書籍で購入する場合も、最終巻の2種類は別々の作品として取り扱われています。
購入前に確認したい要点は次の3つです。
- 作品名が『恋と嘘』で、著者がムサヲになっていること。
- 最終巻を購入する場合は、美咲編か莉々奈編かを確認すること。
- 両方の結末を読みたい場合は、電子書籍でも2冊とも購入すること。
電子書籍の販売価格やキャンペーン、無料試し読みの対象範囲は販売サービスによって異なります。購入時には各ストアの最新表示を確認してください。
どちらの最終巻を先に読むべき?
初めて読む人には、まず美咲編か莉々奈編のどちらかを読み、その後もう一方を読む方法がおすすめです。
美咲編を先に読めば、長年の初恋がどのように結実するのかを中心に楽しめます。莉々奈編を先に読めば、政府通知から始まった関係が本当の恋愛へ変わっていく過程を追いやすくなります。
どちらを先に読んでも、もう一方のルートで登場人物の違う表情や選択を確認できるため、作品全体への理解が深まります。
【恋と嘘の漫画】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:恋と嘘の漫画は全何巻で完結していますか?
A1:漫画は全12巻で完結しています。最終12巻だけが美咲編と莉々奈編の2種類に分かれているため、両方の結末を読む場合は通常版ベースで合計13冊になります。
Q2:恋と嘘の最終回では由佳吏は誰と結婚しますか?
A2:最終巻によって異なります。美咲編では高崎美咲と結ばれ、莉々奈編では真田莉々奈と結ばれます。作者が用意した2つの正式なエンディングです。
Q3:美咲編と莉々奈編はどちらが本当の結末ですか?
A3:どちらか一方だけが正史という扱いではありません。作者は2つのルートを優劣なく読んでほしいという意向を示しており、どちらも正式な結末として刊行されています。
Q4:恋と嘘のアニメの続きは漫画の何巻からですか?
A4:6巻から読むのが目安です。アニメは全12話で、漫画の最終巻に収録された2つのエンディングまでは描いていません。
Q5:恋と嘘の漫画は電子書籍で試し読みできますか?
A5:講談社の公式作品ページでは第1話の試し読みが案内されています。また、最終12巻の美咲編・莉々奈編も電子版が刊行されています。試し読みや割引の条件は各電子書籍ストアで確認してください。
まとめ:恋と嘘は2つの結末を読むことで作品の魅力が深まる
『恋と嘘』は、政府が16歳で結婚相手を通知するという独創的な設定を通じて、恋愛における自由意志や人を好きになることの意味を描いた作品です。
2026年11月現在、漫画は全12巻で完結しており、最終巻には美咲編と莉々奈編という2つのエンディングが用意されています。
美咲編は初恋を貫く未来、莉々奈編は一緒に過ごす中で育った恋を選ぶ未来です。どちらも由佳吏が自分の意思で相手を選ぶという点では共通しています。
また、2種類の最終巻が生まれた背景には、作者ムサヲが早い段階から構想していたルート分岐のアイデアと、2人のヒロインそれぞれの魅力を大切にしたいという制作意図がありました。
アニメから作品を知った人は6巻から続きを読み、物語全体を味わいたい人は1巻から読み直すのがおすすめです。最終巻を購入する際には、美咲編と莉々奈編の違いを確認し、可能であれば両方の結末を読み比べてみてください。
【プロの結論】
『恋と嘘』の本当の見どころは、どちらのヒロインが選ばれるべきかという勝敗ではありません。国が決めた運命と、自分自身で選び取る恋愛。その2つがぶつかる世界で、登場人物たちがどのように自分の気持ちを受け止めるのかにあります。
2つの最終巻を読み比べることで、同じ出来事でも選択が変われば未来も変わるという作品のテーマが、より鮮明に伝わってきます。
一つの結末だけで読み終えるのではなく、美咲編と莉々奈編の両方を読むこと。それが『恋と嘘』という作品を最後まで味わい尽くす方法です。
主な事実確認資料: 講談社の作品・書誌情報、DeNAの連載開始発表、テレビアニメ公式サイト、ムサヲ氏のインタビュー、MANTANWEBの完結報道。