UFCフライ級は、2026年11月現在、ジョシュア・ヴァンが王座を保持している。男子125ポンド(約56.7kg)級では、元王者アレッシャンドリ・パントージャ、強打者マネル・ケイプ、ブランドン・ロイバルらが上位を争い、日本からは平良達郎と堀口恭司がトップ5に入る激しい競争が続いている。
特に注目されるのは、2027年1月30日に予定されているUFC 336のタイトルマッチだ。王者ヴァンに挑むのは、ランキング2位のマネル・ケイプ。ランキング1位のパントージャを差し置いてケイプが次期挑戦者に選ばれた背景にも、2026年のフライ級戦線を理解する要点がある。
【基礎知識】UFCフライ級とは?体重125ポンドの階級を解説
UFCフライ級は、総合格闘技団体UFCに設けられている男子の軽量級カテゴリーだ。
階級の上限は125ポンド(約56.7kg)。軽量級ならではのスピード、連続攻撃、テイクダウン、寝技の切り替えなどが勝敗を左右する。
ヘビー級やライトヘビー級のような一撃の破壊力だけではなく、試合全体を通じた技術の精度と運動量が重要になる階級でもある。
フライ級の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 団体 | UFC |
| 階級 | 男子フライ級 |
| 体重上限 | 125ポンド |
| キログラム換算 | 約56.7kg |
| 現王者 | ジョシュア・ヴァン |
| 2026年の注目選手 | パントージャ、ケイプ、ロイバル、平良達郎、堀口恭司 |
UFCの公式選手情報でもフライ級は125ポンドの階級として掲載されている。
この階級を理解するうえで重要なのは、単純な体格差よりも、打撃と組み技をどれだけ高い水準で組み合わせられるかという点だ。連続した攻防が多く、数秒の判断ミスが試合の流れを大きく変える。
また、男子フライ級には長期政権を築いた王者が存在する一方、近年は複数の実力者が短い間隔でタイトル争いに加わっている。
【2026年11月最新】UFCフライ級王者と現在のランキングTOP15
2026年11月5日時点で、UFCフライ級の王座に就いているのはジョシュア・ヴァンだ。
UFC公式選手情報では、ヴァンのプロ戦績は18勝2敗。ミャンマーのハカ出身で、2023年6月にUFCデビューを果たした選手である。
2025年12月6日のUFC 323でアレッシャンドリ・パントージャと対戦。パントージャが開始直後に肘を負傷し、26秒で試合続行不可能となったため、ヴァンがTKO勝利によって王座を獲得した。
ただし、この王座獲得は通常の攻防による決着ではなかった。そのため、王者としての実力を証明するには、その後の防衛戦が重要な意味を持った。
ヴァンは2026年5月9日のUFC 328で平良達郎を5ラウンドTKOで下し、最初の防衛に成功。さらに9月19日のUFC 331ではパントージャとの再戦を制し、王座を守った。
UFC公式記録によると、パントージャとの再戦は49-46、48-47、50-45のユナニマス判定。負傷による初戦の決着とは異なり、5ラウンドを戦い抜いて勝利したことは、ヴァンの王者としての評価を高める結果となった。
UFCフライ級の最新ランキング
以下は、2026年11月3日更新のランキング情報を基準に整理した男子フライ級の順位だ。
| 順位 | 選手 | 戦績 |
|---|---|---|
| 王者 | ジョシュア・ヴァン | 18勝2敗 |
| 1位 | アレッシャンドリ・パントージャ | 30勝7敗 |
| 2位 | マネル・ケイプ | 23勝7敗 |
| 3位 | ブランドン・ロイバル | 18勝9敗 |
| 4位 | 平良達郎 | 18勝2敗 |
| 5位 | 堀口恭司 | 36勝6敗1分 |
| 6位 | ローン・カヴァナー | 11勝2敗 |
| 7位 | アス・アルマバエフ | 24勝3敗 |
| 8位 | ブランドン・モレノ | 24勝10敗2分 |
| 9位 | アミール・アルバジ | 17勝3敗 |
| 10位 | ラマザン・テミロフ | 20勝4敗 |
| 11位 | ティム・エリオット | 23勝14敗1分 |
| 12位 | スティーブ・エルセグ | 14勝5敗 |
| 13位 | スムダージ | 20勝7敗1分 |
| 14位 | タギル・ウランベコフ | 17勝3敗 |
| 15位 | アレックス・ペレス | 26勝11敗1分 |
出典:2026年11月3日更新のCBS Sports男子フライ級ランキング。UFC公式ランキングの表示とも上位選手の順位を照合。戦績は掲載時点のもの。
特筆すべきなのは、パントージャがランキング1位でありながら、次のタイトル挑戦者は2位のケイプに決まっている点だ。
ランキング上の順位と、実際のタイトルマッチの編成は必ずしも一致しない。直近の勝利内容、対戦相手、興行上の判断などもタイトル挑戦者の決定に関係する。
【勢力図を徹底比較】パントージャ・ケイプ・ロイバルの実力と関係
2026年のUFCフライ級は、王者ヴァンを中心に、元王者と実力派の挑戦者が複雑に絡み合っている。
単純なランキング順位だけでは、現在の勢力図を十分に理解できない。
1. アレッシャンドリ・パントージャ:元王者として再起を狙う
パントージャの強みは、組み技を中心とした総合力だ。
相手に圧力をかけながら距離を詰め、テイクダウンからポジションを確保する展開を得意としてきた。
しかし、2025年12月にヴァンとの初戦で負傷し、王座を失った。2026年9月の再戦でも判定負けを喫している。
現在はランキング1位を維持しているものの、王座奪還には再び勝利を積み重ねる必要がある。
2. マネル・ケイプ:次期タイトル挑戦者に決定
ケイプは、フライ級でも特に危険な打撃を持つ選手の一人だ。
2026年6月20日のUFC Fight Nightでは、堀口恭司を3ラウンド2分42秒、打撃によるTKOで下した。
さらにUFCは10月24日のUFC 336のカード発表で、ケイプとヴァンのタイトルマッチを正式に告知している。
ランキング2位ながら次期挑戦者に選ばれた理由は、直近の勝利とKOによるインパクトにある。
3. ブランドン・ロイバル:上位争いに残る実力者
ロイバルは、フライ級の中でも試合展開を変える能力に優れたファイターだ。
打撃だけに頼らず、スクランブルや寝技の攻防から勝機を見つけられる。
2026年のランキング3位という位置は、タイトル戦線に復帰できるだけの実力を維持していることを示している。
主要選手の関係と2026年の戦績比較
| 選手 | ランキング | 2026年の主な出来事 | 現在の立場 |
|---|---|---|---|
| ジョシュア・ヴァン | 王者 | 平良、パントージャに勝利 | 王座防衛中 |
| パントージャ | 1位 | ヴァンに判定負け | 元王者 |
| マネル・ケイプ | 2位 | ロイバル、堀口らをKO | 次期挑戦者 |
| ブランドン・ロイバル | 3位 | カヴァナーに一本勝ち | 上位挑戦候補 |
| 平良達郎 | 4位 | ヴァンに5R TKO負け | 日本勢の上位候補 |
| 堀口恭司 | 5位 | ケイプに3R TKO負け | 再起を目指す立場 |
この比較から見えるのは、フライ級の勢力図が王者と元王者だけで構成されているわけではないことだ。
ケイプのように打撃で上位選手を倒す選手もいれば、ロイバルのように寝技で勝利を重ねる選手もいる。異なるスタイルの選手が同じ階級で競い合っていることが、フライ級の魅力になっている。
【日本人選手の現在地】平良達郎と堀口恭司は王座に届くのか
2026年のUFCフライ級を日本から見るうえで、最も重要なのが平良達郎と堀口恭司の存在だ。
両者ともランキング5位以内に入っている。日本人選手が世界最高峰の団体でタイトル争いに加わる可能性を考えるうえで、非常に重要な状況となっている。
平良達郎:ランキング4位、王者との直接対決を経験
平良にとって2026年5月9日のUFC 328は、大きな意味を持つ試合だった。
王者ジョシュア・ヴァンとのタイトルマッチに臨み、序盤からテイクダウンを成功させて組みの攻防を展開した。
UFC公式の試合レポートによると、平良は序盤から複数回テイクダウンを奪い、ヴァンをキャンバスに倒す場面を作った。
しかし、ヴァンは打撃で試合の流れを引き戻し、最終的に5ラウンド1分32秒でTKO勝利を収めた。
この試合は、平良にとって敗北であると同時に、王者との実力差を具体的に確認する機会でもあった。
特に注目すべきなのは、組み技で王者を苦しめる場面を作れたことだ。今後、打撃の防御や試合中の攻撃選択を改善できれば、再びタイトル争いに加わる可能性はある。
堀口恭司:ランキング5位、世界王者経験を持つベテラン
堀口は2015年4月のUFC 186で、デメトリアス・ジョンソンの持つフライ級王座に挑戦した。
試合は5ラウンド終了間際に腕十字で一本負け。王座獲得には届かなかったが、当時の世界最高峰の選手とタイトルを争った経験は大きい。
その後、UFCを離れて他団体でも活躍し、再びUFCに参戦。2026年2月にはアミール・アルバジに判定勝ちを収めた。
一方、6月20日のマネル・ケイプ戦では3ラウンド2分42秒にTKO負けを喫している。UFC公式選手情報でも、この敗戦によって8戦無敗の記録が途切れたことが紹介されている。
堀口の強みは、長いキャリアで培った試合運びと総合的な技術だ。ただし、タイトル争いに戻るためには、ケイプ戦の敗北から立て直す必要がある。
鶴屋怜も含めた日本人フライ級選手
日本人選手は平良と堀口だけではない。
UFC公式の平良達郎選手紹介では、現在の日本人フライ級選手として、平良、堀口、鶴屋怜の3人が紹介されている。
鶴屋怜は将来性を期待される日本人選手だが、2026年11月の男子フライ級トップ15には入っていない。
日本勢の状況を整理すると、次のようになる。
- 平良達郎: ランキング4位。王者とのタイトルマッチを経験。
- 堀口恭司: ランキング5位。元タイトル挑戦者で、再起が課題。
- 鶴屋怜: UFC参戦中の日本人フライ級選手。現行トップ15圏外。
日本人選手が王座を獲得するためには、ランキング上位にいるだけでなく、トップ選手との対戦で勝利を積み重ねることが欠かせない。
【歴代王者を総整理】デメトリアス・ジョンソンからジョシュア・ヴァンまで
UFCフライ級の歴史は2012年に始まった。
初代王者となったのはデメトリアス・ジョンソン。圧倒的な技術と試合支配力で長期政権を築き、フライ級の競技レベルを引き上げた選手として知られている。
UFC公式のタイトル史によると、同選手は11度の王座防衛に成功している。
UFCフライ級の歴代王者一覧
歴代王者を振り返ると、UFCフライ級では一度の王座獲得だけでなく、再びベルトを取り戻す選手も存在する。
フィゲイレードとモレノは複数回王者になった選手だ。
一方、ジョンソンのように長期にわたって王座を守り続けた選手もいる。
パントージャからヴァンへの王座交代は、フライ級の新しい時代を象徴する出来事だった。
【次期タイトルマッチ】ヴァン対ケイプは2027年1月30日に開催予定
2026年11月現在、次のUFCフライ級タイトルマッチとして発表されているのが、ジョシュア・ヴァン対マネル・ケイプだ。
UFC公式発表によると、開催情報は次のとおり。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | UFC 336 |
| 開催日 | 2027年1月30日 |
| 開催地 | カナダ・トロント |
| 会場 | スコシアバンク・アリーナ |
| 王者 | ジョシュア・ヴァン |
| 挑戦者 | マネル・ケイプ |
| タイトル | UFCフライ級王座 |
UFCは2026年10月24日に、このカードを正式発表した。
公式発表では、ヴァンが平良達郎とパントージャを退けたこと、ケイプがロイバルと堀口恭司をKOで下したことを、今回のタイトル戦につながる実績として紹介している。
なぜランキング1位のパントージャではなくケイプなのか?
ここは2026年のフライ級を理解するうえで、特に要点だ。
現在のランキングではパントージャが1位、ケイプが2位となっている。
それでも次のタイトル挑戦者はケイプだ。
理由として大きいのは、ケイプが直近の試合で強烈な勝利を重ねていることだ。
特に堀口恭司をKOした試合は、タイトル挑戦を後押しする結果になった。加えて、元王者ロイバルを倒した実績も評価されている。
ランキングは選手の位置付けを示す指標だが、次のタイトルマッチを自動的に決める順番表ではない。対戦相手の実績、直近の試合内容、興行上の判断などが組み合わさって挑戦者が決まる。
ヴァン対ケイプの注目ポイント
1. ヴァンが王者としてどこまで成長したか
ヴァンはパントージャとの再戦で5ラウンドを戦い抜き、判定勝利を収めた。
負傷による初戦の決着とは異なる形で実力を示した王者が、今度はKO能力の高いケイプを相手にどのような試合をするのかが焦点になる。
2. ケイプの打撃が王者に通用するか
ケイプはスピードと爆発力を生かした打撃が特徴だ。
堀口やロイバルを倒してきた攻撃力を、ヴァンにも発揮できるかが大きな見どころとなる。
3. 試合が長引いた場合の展開
ヴァンは平良戦とパントージャ戦で5ラウンドのタイトル戦を経験している。
ケイプが序盤に決着をつけられなかった場合、王者の試合運びやスタミナ、攻防の組み立てが重要になる。
この一戦は単なる王座防衛戦ではなく、2026年のフライ級で誰が最も強いのかを改めて問う試合になる。
【プロの結論】2026年のUFCフライ級で注目すべき3つの判断基準
UFCフライ級の勢力図を正しく理解するには、ランキングだけを追いかけるのでは不十分だ。
特に注目すべきなのは、次の3点である。
1. ランキングとタイトル挑戦者を区別する
パントージャが1位でケイプが2位というランキングと、ケイプが次期挑戦者に決定している事実は、矛盾しない。
ランキングは競技上の評価であり、タイトルマッチの編成とは別の要素が関係する。
2. 日本人選手は順位だけでなく対戦相手を見る
平良達郎は4位、堀口恭司は5位と、日本人選手が上位に位置している。
ただし、ランキング上位にいることと、すぐにタイトル挑戦が決まることは別だ。
平良は王者との直接対決を経験しており、堀口はケイプ戦の敗北からの再起が課題となる。
両者の今後を考えるときは、順位の変化だけでなく、誰と対戦し、どのような勝ち方をしたのかを見る必要がある。
3. 王者の防衛実績を重視する
ヴァンは負傷によるタイトル獲得後、平良とパントージャを相手に連続して防衛した。
特にパントージャとの再戦で判定勝利を収めたことは、王者の実力を評価するうえで大きい。
2027年1月のケイプ戦で勝利すれば、ヴァンの王者としての地位はさらに強固になる。一方、ケイプが勝てば、フライ級は再び新しい王者を中心とした勢力図に変わる。
【UFCフライ級】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年11月現在のUFCフライ級王者は誰ですか?
ジョシュア・ヴァンです。2025年12月にアレッシャンドリ・パントージャの負傷によるTKOで王座を獲得し、2026年5月に平良達郎、9月にパントージャを破って防衛しています。
Q2:UFCフライ級の体重は何kgですか?
男子フライ級の上限は125ポンドで、キログラムに換算すると約56.7kgです。
Q3:UFCフライ級のランキング1位は誰ですか?
2026年11月3日更新のランキングでは、アレッシャンドリ・パントージャが1位です。
Q4:次のUFCフライ級タイトルマッチはいつですか?
2027年1月30日のUFC 336で、王者ジョシュア・ヴァンとマネル・ケイプが対戦する予定です。開催地はカナダのトロントです。
Q5:平良達郎のUFCフライ級ランキングは何位ですか?
2026年11月時点では4位です。2026年5月のUFC 328では王者ジョシュア・ヴァンに挑戦し、5ラウンドTKOで敗れました。
Q6:堀口恭司のUFCフライ級ランキングは何位ですか?
2026年11月時点では5位です。2026年6月にマネル・ケイプと対戦し、3ラウンドTKOで敗れています。
Q7:UFCフライ級の歴代最強王者は誰ですか?
実績を基準にするなら、11度の王座防衛を達成したデメトリアス・ジョンソンが代表的な存在です。ただし、フィゲイレードやモレノ、パントージャなども歴史に残る王者です。
Q8:日本人がUFCフライ級王者になる可能性はありますか?
平良達郎と堀口恭司がトップ5に入っていることから、日本人選手が王座争いに加わる可能性は十分にあります。特に平良は現王者とのタイトルマッチを経験しており、今後の巻き返しが注目されます。
まとめ:UFCフライ級の今後はヴァン対ケイプと日本勢の動向が鍵
2026年11月のUFCフライ級は、ジョシュア・ヴァンが王者として新しい時代を築き始めている。
パントージャはランキング1位を維持しながら王座奪還を狙い、マネル・ケイプは2027年1月のタイトルマッチで王座獲得を目指す。ブランドン・ロイバルも上位に残り、実力者がひしめく階級となっている。
日本勢では、ランキング4位の平良達郎と5位の堀口恭司が特に重要な存在だ。両者とも世界トップクラスの実力を示してきたが、今後は再び勝利を積み重ねられるかが問われる。
これからUFCフライ級を追いかけるなら、まず注目したいのは次の3つだ。
- 2027年1月30日: ヴァン対ケイプのタイトルマッチ。
- パントージャの再起: 元王者が再び王座挑戦に近づけるか。
- 日本勢の巻き返し: 平良達郎と堀口恭司が上位争いに戻れるか。
ヴァンが王座を守るのか、ケイプが新王者になるのか。そして日本人選手が再びタイトル挑戦に近づくのか。
2026年から2027年にかけてのUFCフライ級は、王座の行方と日本勢の未来を左右する重要な局面を迎えている。