大リーグのMVPを正しく理解するには、BBWAA(全米野球記者協会)の投票制度を知っておきたい。日本のプロ野球の最優秀選手賞とは選考方法や評価の仕組みが異なる。
ア・リーグとナ・リーグで別々に選出
MLBのMVPは、アメリカン・リーグとナショナル・リーグからそれぞれ1人ずつ選ばれる。つまり、2026年も合計2人のMVP受賞者が誕生する。
投票するのは、BBWAAに所属する野球記者。各リーグの30人が投票に参加し、1人の記者が10人の選手を順位付けする。
順位によって得点が変わるポイント制
MVPの投票は、1位から10位までの順位に応じてポイントが与えられる仕組みだ。
| 投票順位 | 獲得ポイント |
|---|---|
| 1位 | 14点 |
| 2位 | 9点 |
| 3位 | 8点 |
| 4位 | 7点 |
| 5位 | 6点 |
| 6位 | 5点 |
| 7位 | 4点 |
| 8位 | 3点 |
| 9位 | 2点 |
| 10位 | 1点 |
1位票の重みが大きい一方、2位以下の得票も最終結果に影響する。10位票にも1点が与えられるため、候補者以外の選手への評価も無視できない。
ポストシーズンの活躍はMVPに影響する?
ここは特に誤解されやすい部分だ。
2026年のBBWAA投票はポストシーズン開始前に行われている。そのため、ワールドシリーズでの活躍や優勝への貢献は、2026年のMVP投票に直接反映されない。
また、MVPは必ずしも地区優勝チームやプレーオフ進出チームから選ぶ必要はない。投手や指名打者も受賞資格を持ち、過去の受賞者が再び受賞することも認められている。
BBWAAの公式投票FAQでは、選手の攻撃力と守備力、出場試合数、チームへの実際の価値などが評価基準として示されている。
【ネットの反応・炎上】大谷翔平とPCAの評価が分かれる理由
2026年のMVP争いでは、SNSや野球ファンのコミュニティでも大谷翔平とPCAの比較が大きな話題になった。注目されているのは、どちらが優れた選手かという単純な比較ではなく、何をもって「最も価値のある選手」と判断するかという問題だ。
MLB選手21人の調査ではPCAが優勢
ESPNのジェシー・ロジャース記者が2026年8月に実施した選手アンケートは、興味深い結果を示している。
カブスとドジャースを除く9球団の選手21人にNLのMVP候補を尋ねたところ、回答は次のようになった。
PCAを支持する選手からは、中堅守備の優秀さや毎試合の総合的な貢献度を評価する意見が出た。一方、大谷を支持する選手は、投手としての高いパフォーマンスと打撃力を同時に発揮する希少性を重視していた。
この調査は8月時点の21人を対象としたもので、最終的なMVP投票結果ではない。しかし、シーズン途中から評価軸が二分されていたことを示す興味深い材料だ。
ア・リーグではベン・ライスの候補漏れも議論に
ア・リーグでは、ニューヨーク・ヤンキースのベン・ライスが最終候補に入らなかったことについて、一部のファンから不満が出たとする報道もあった。
ライスは2026年に41本塁打、97打点を記録した強打者。それだけに、18本塁打ながら45盗塁を記録し、遊撃守備でも高い評価を受けたウィットJr.が候補に選ばれたことについて、比較する声が生まれた。
この議論は、本塁打数を重視するファンと、守備・走塁を含めた総合力を重視するファンとの評価の違いを表している。候補選出をめぐる不満はあるものの、投票の不正や不当な操作があったことを示す情報はない。
大谷のMVP受賞が確定したという噂は本当?
答えは、まだ確定していない。
大谷は過去4度のMVP受賞歴を持ち、今回も最終候補に入っている。しかし、最終候補入りは受賞確定を意味しない。
また、最終候補の発表順はアルファベット順であり、名前が先に掲載された選手が投票1位という意味でもない。
2026年11月5日時点で、MVP受賞者はまだ発表されていない。ネット上で見かける「大谷5度目のMVP決定」という表現は、正式発表前の予想と確定結果を混同しないよう注意したい。
なお、今回のMVP候補をめぐる主な議論は競技成績と評価基準に関するものだ。選手の私生活や不祥事に関する確かな新事実が発表されたわけではない。
【プロの結論】2026年の大リーグMVPは誰が有力なのか?
2026年の成績と評価指標を総合すると、両リーグで注目すべき選手は次のように整理できる。
ナ・リーグでは、PCAが最も説得力のある数字を残した。40-40達成、メジャー最高のfWAR、外野守備の歴史的な指標を考えれば、MVPにふさわしいシーズンだったと評価できる。
大谷には投手としての貢献という独自の強みがある。防御率1.79は非常に優秀であり、打者として30本塁打を放った実績も軽視できない。ただし、投手としての稼働期間が短かったことが、PCAとの比較で不利に働く可能性がある。
ア・リーグはアルバレスが打撃成績で優位に立つ。カミネロは40本塁打を2年連続で達成した成長力、ウィットJr.は45盗塁と遊撃守備の総合力が強みだ。特にウィットJr.は、打撃の派手さだけでは見落とされる価値を持っている。
プロの視点で重視したいのは、MVPを単なる本塁打王や首位打者の延長として捉えないことだ。打撃、守備、走塁、出場機会、投手としての貢献を同じ土俵で比較することが、選考を理解する近道になる。
大リーグMVPに関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の大リーグMVPは誰に決まった?
A1:2026年11月5日時点では未発表。ナ・リーグは大谷翔平、ピート・クロウ=アームストロング、ブライス・トゥラング、ア・リーグはヨルダン・アルバレス、ジュニア・カミネロ、ボビー・ウィットJr.が最終候補となっている。
Q2:大谷翔平が2026年にMVPを受賞すると何度目になる?
A2:通算5度目となる。大谷は2021年、2023年、2024年、2025年に受賞している。2026年も受賞すれば、通算5度という歴史的な記録に到達する。
Q3:2026年のMVPは日本時間でいつ発表される?
A3:2026年11月12日に米国で発表される予定。MLBネットワークの番組開始は東部時間午後7時で、日本時間では11月13日午前9時に相当する。各賞の詳しい発表順は番組の進行による。
まとめ:2026年のMVP発表と今後の注目ポイント
2026年の大リーグMVP争いは、大谷翔平の二刀流の価値、PCAの40-40と歴史的な守備、アルバレスの圧倒的な打撃成績など、見どころの多いシーズンとなった。
ナ・リーグはPCAと大谷の評価の違い、ア・リーグはアルバレス、カミネロ、ウィットJr.の総合力の比較が大きな焦点だ。
受賞者の発表は11月12日。日本では11月13日の朝に結果が明らかになる予定だ。
最新ニュースを追う際は、次の3点を押さえておきたい。
- 最終候補入りとMVP受賞決定は別の情報として扱う。
- 本塁打や打率だけでなく、守備・走塁・投手成績も比較する。
- 公式発表とファンの予想、ネット上の噂を区別する。
2026年のMVPは、単に最も多くホームランを打った選手を決める賞ではない。選手それぞれが異なる方法でチームに価値をもたらしたことを、数字とプレーの両面から評価する機会でもある。大谷翔平が歴史を更新するのか、それとも新たなスターが栄冠をつかむのか。11月の発表が大きな注目を集めている。