ホーム アイドル・グラビア ライブハウス痴漢の実態と対策2026|被害時の行動・証拠保存・相談先を徹底解説

ライブハウス痴漢の実態と対策2026|被害時の行動・証拠保存・相談先を徹底解説

白石 澪 白石 澪 • 更新: • 公開: • 読了約 28 分
目次

ライブハウスは、好きなアーティストの演奏を間近で体感できる特別な場所だ。一方、観客同士の距離が近く、照明が暗いフロアや満員のスタンディングエリアでは、身体への意図的な接触が見過ごされやすいという問題もある。実際、2026年にはNEMOPHILAやBUCK∞TICKが公演中の客席内で痴漢被害の報告を受けたことを公表し、警察への相談や厳正な対応について発表している。

ライブハウスでの痴漢は、単なる混雑による接触とは区別して考える必要がある。胸や臀部などへの意図的な接触、身体を密着させる行為、モッシュや人混みに紛れた性的な接触など、被害の形はさまざまだ。大切なのは、被害に遭った際に自分の安全を確保し、会場スタッフや警察、専門相談窓口につながる方法を知っておくこと。2026年の公表事例と公的機関の情報を踏まえ、予防から被害後の対応まで整理する。

【この記事の重要ポイントまとめ】

  • 実態:満員のフロアやモッシュエリアでは、混雑に紛れた意図的な身体接触が問題になることがある。
  • 対処:被害を感じたら安全な場所へ移動し、スタッフに発生場所・時間・行為を具体的に伝える。
  • 証拠:発生時刻や相手の特徴を記録し、衣服やチケット、メッセージなどを保存する。
  • 相談先:警察の性犯罪被害相談電話「#8103」、ワンストップ支援センター「#8891」が利用できる。
  • 防止策:被害者個人の注意だけに頼らず、主催者・会場・スタッフによる安全管理が欠かせない。

【実態を解説】ライブハウス痴漢とは?どのような行為が問題になるのか

ライブハウス痴漢

ライブハウス痴漢とは、ライブ会場の客席やフロアなどで、相手の意思に反して性的な接触を行う行為を指す一般的な呼び方だ。

電車内の痴漢と異なり、ライブハウスでは観客同士が密着すること自体が珍しくない。スタンディング形式では、演奏中の身体の揺れや観客の移動によって、意図しない接触が発生することもある。しかし、混雑しているからといって、性的な接触が許されるわけではない。

ライブ会場で問題になる代表的な行為

  • 胸や臀部、下半身などを意図的に触る。
  • 身体を不必要に密着させ、性的な部位を押し付ける。
  • 人混みに紛れて、同じ相手に何度も身体を触れる。
  • モッシュや観客の移動を口実に、性的な接触を繰り返す。
  • 相手が離れようとしているにもかかわらず、追いかけて接触する。
  • 本人の許可なく身体を触ったり、性的な目的で撮影したりする。

重要なのは、身体が一度ぶつかったという事実だけで、すべてを痴漢と判断できるわけではないことだ。混雑による偶発的な接触と、特定の相手を狙った意図的な接触は分けて考える必要がある。

ライブハウス痴漢の見分け方と注意したいサイン

暗いフロアでは相手の手元が見えにくく、演奏中は音も大きいため、異常を感じてもすぐに状況を把握できない場合がある。

次のような状況が重なった場合は、偶然の接触と決めつけず、安全な場所への移動を検討したい。

  • 人の流れとは関係なく、同じ身体の部位に何度も接触される。
  • 場所を移動しても、特定の人物が近づいてくる。
  • 相手が身体を離す余地があるのに、不自然に密着してくる。
  • 身体を触られた後、相手が反応をうかがうような行動をする。
  • 周囲の観客の動きとは異なる方向から、繰り返し接触される。

ただし、これらは被害を疑って安全を確保するための目安であり、外見や単独の行動だけで相手を加害者と断定するものではない。相手を問い詰めるよりも、まず自分が安全に移動できる状況をつくることを優先したい。

法律上はどのように扱われるのか

「痴漢」は一般的な呼称であり、すべての行為が同一の犯罪類型に分類されるわけではない。具体的な接触の内容、目的、状況などによって、不同意わいせつ罪や各地域の迷惑防止条例などに該当する可能性がある。

法務省によると、2023年7月13日には刑法改正によって不同意わいせつ罪・不同意性交等罪が施行された。同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態にさせることや、その状態に乗じてわいせつな行為をすることなどが処罰対象となる。

したがって、「ライブだから身体が触れても仕方ない」「モッシュ中だから問題にならない」という考え方は適切ではない。混雑の有無だけでなく、実際にどのような行為が行われたかが判断のポイントになる。

【原因と発生しやすい場所】満員ライブ・モッシュ・ダイブエリアの危険性

ライブハウスで性的な被害が問題になる背景には、会場特有の環境がある。特に、スタンディング形式の会場では、観客の移動や身体の接触が日常的に発生するため、周囲が異常に気づきにくい。

1. 満員のスタンディングフロア

観客が密集するフロアでは、腕や肩が触れたり、身体が押されたりすることがある。後方から押される状況では、誰がどのように接触してきたのかを把握しにくい。

この環境を悪用し、混雑に紛れて意図的な接触をする行為が問題になる。身体が密着していることを、性的な接触への同意と解釈することはできない。

2. モッシュ・ダイブが発生するエリア

モッシュは観客同士が激しく動き、身体がぶつかることのある行為だ。ダイブでは観客が頭上を移動することもあり、周囲の注意が安全確保に向けられる。

こうした場所では、偶発的な接触と意図的な接触が見分けにくくなることがある。特に、身体を支える行為と、許可なく性的な部位に触れる行為は明確に区別しなければならない。

モッシュやダイブが禁止されている会場では、会場や主催者のルールに従うことも必要だ。UVERworldの公式ライブマナーでも、過剰な密着や身体に危険を及ぼす行為への注意が示されている。

3. 暗い照明と大音量による発見の遅れ

ライブ会場では照明が暗くなる演出があり、演奏中は周囲の声も聞き取りにくい。被害を受けた人が助けを求めても、近くの観客やスタッフが気づかない場合がある。

また、観客がステージに集中していると、周囲の異変を見逃しやすい。これは被害を見過ごしてよい理由にはならず、会場側がスタッフの配置や緊急時の対応を整える必要があることを示している。

4. 常連客と初参加者の心理的な距離

初めて訪れたライブハウスでは、会場のルールやスタッフの位置、退場経路が分からないこともある。常連客が多い空間では、周囲との関係を壊したくないという心理から、被害を訴えることをためらう人もいる。

しかし、ライブの楽しみ方や参加経験によって、被害を受けた人の責任が変わることはない。初参加者でも一人で来場した人でも、安心して助けを求められる環境が必要だ。

【2025~2026年の公表事例】ライブ会場の痴漢問題と運営側の対応

ライブ会場での痴漢問題は、個人間のトラブルだけではない。主催者の危機対応、会場スタッフの判断、警察への連絡、被害を訴えた人への配慮など、イベント運営全体の課題として考える必要がある。

2025年から2026年にかけて、アーティストや公式運営が客席内の痴漢被害に関する声明を公表する事例が相次いだ。

公表された主な事例と対応の比較

時期・公演 公表された内容 確認できる対応・論点
2025年3月16日
礼賛・なんばHatch
公演中の痴漢被害をめぐってトラブルが発生し、運営側の対応も問題になった。 主催側の説明と被害を訴えた側の説明に相違があり、現場対応や被害者への配慮が議論された。
2025年4月28日
ラブリーサマーちゃん・梅田Shangri-La
公演中のフロア内で痴漢行為があったとの報告が公式Xを通じて公表された。 加害者を特定した場合には警察への連絡や法的措置を検討する方針が示された。
2026年2月15日
NEMOPHILA・甲府CONVICTION
公演中の客席内で痴漢行為があったと、メンバーのmayuから報告があった。 2月17日の公式発表で、所轄警察署への相談と法的措置の検討が公表された。
2026年7月5日
BUCK∞TICK・仙台Rensa
ファンクラブ限定公演中、客席内で痴漢被害に遭ったとの来場者からの報告があった。 7月6日の公式発表で、退場、出入り禁止、ファンクラブ退会、警察への通報・引き渡しなどの厳正な対応方針が示された。

※上記は各アーティストや報道機関が公表した情報の整理であり、個々の事案について刑事裁判での有罪認定があったことを意味するものではない。

NEMOPHILAの事例:警察への相談と法的措置を検討

2026年2月17日、ガールズバンドNEMOPHILAは公式サイトで公演中の痴漢被害に関する報告を発表した。

対象となったのは、2月15日に山梨県の甲府CONVICTIONで開催された公演だ。メンバーのmayuから、客席内で痴漢行為があったとの報告を受けたと説明している。

公式発表では、所轄の警察署に相談したうえで法的措置を検討していることも明らかにされた。また、被害に遭った人や不審な行為を目撃した人に対して、近くのスタッフへの速やかな報告を呼びかけている。

この事例で注目したいのは、アーティスト側が問題を公演運営の課題として取り上げ、スタッフへの報告を明確に促した点だ。

BUCK∞TICKの事例:演奏中でもスタッフへの報告を呼びかけ

2026年7月6日、BUCK∞TICKは公式サイトに「ご報告とお願い」を掲載した。

7月5日に宮城県の仙台Rensaで開催されたファンクラブ限定公演で、客席内の痴漢被害について来場者から報告があったという。

公式発表では、対象者が判明した場合には法的措置を含めて厳正に対応すると説明。今後、痴漢や不審な行為が確認された場合には、会場からの退場や出入り禁止、ファンクラブ退会、警察への通報・引き渡しなどを行う方針を示した。

加えて、少しでも違和感や不安を感じた場合には、演奏中やMC中を問わず、スタッフ、メンバー、周囲の人に知らせるよう呼びかけている。

この対応は、被害申告のタイミングを曲間や終演後に限定しないという点で、来場者にとって重要な意味を持つ。

2025年の礼賛公演が示したスタッフ対応の難しさ

2025年3月の礼賛・なんばHatch公演をめぐる問題では、被害を訴えた側の説明と運営会社側の説明が食い違い、対応のあり方が議論になった。

日刊スポーツなどの報道によると、礼賛側は3月18日に公演中のトラブルについて声明を発表し、緊急時のオペレーション体制の見直しや、会場内のトラブル防止対策について協議していると説明した。一方、運営会社側は3月19日付の声明で、被害申告の内容と関係者への確認結果に相違があると説明している。

この問題から考えたいのは、現場での初動対応の重要性だ。被害を申し出た人に対して、本人同士の直接対面を強いたり、警察への相談を一方的に否定したりする対応は避けなければならない。

まず安全な場所に案内し、当事者を分離し、本人の意思を確認する。そのうえで必要に応じて警察につなぐ。会場スタッフには、こうした対応を実行できる体制が求められる。

【被害に遭ったときの対処法】安全確保からライブハウススタッフへの伝え方まで

ライブ中に身体を触られたり、不審な接触を受けたりした場合、すぐに声を出せないこともある。驚きや恐怖で身体が動かなくなることもあり、周囲に説明する余裕がない場合も少なくない。

そのような状況では、無理に相手と対決する必要はない。優先順位は、自分の安全を確保し、助けを求められる人や場所につながることだ。

ステップ1:まずは安全な場所へ移動する

不審な接触を感じたら、可能であればフロアの端や後方、スタッフのいる場所へ移動する。

モッシュが激しい場所や、人が密集している場所から離れ、身体を落ち着かせられる場所を確保したい。相手が近くにいる場合は、無理に直接注意せず、スタッフに助けを求める。

転倒やけが、強い恐怖を感じている場合には、周囲の人にも協力を求める。体調に異常があれば、救護スタッフや医療機関につないでもらう。

ステップ2:会場スタッフには具体的に伝える

スタッフに報告するときは、長い説明をする必要はない。発生した場所、時間、どのような行為があったかを伝えるだけでも、初動対応につながる。

例えば、次のように伝えるとよい。

「ライブ中に身体を触られました。場所はフロアの中央付近で、後ろにいた人から何度も胸を触られました。今は相手と離れた場所に移動したいです。責任者の方にも対応していただけますか」

説明することが難しい場合は、「痴漢被害に遭った可能性があるので、安全な場所に案内してください」と伝えるだけでもよい。

ステップ3:責任者への報告と記録の保存を依頼する

最初に対応したスタッフだけで解決しようとせず、必要に応じて現場責任者やイベント制作担当者への引き継ぎを求める。

具体的には、次の点を確認したい。

  • 安全に待機できる場所を確保してもらえるか。
  • 相手と被害を訴えた人を別々に対応してもらえるか。
  • 防犯カメラの映像がある場合、該当時間帯の記録を保存してもらえるか。
  • 目撃者や周囲のスタッフの情報を確認してもらえるか。
  • 警察への通報や相談に協力してもらえるか。

防犯カメラの映像は、保存期間や設置場所が施設によって異なる。映像がある場合は、時間が経過する前に保存を依頼することが大切だ。

ステップ4:相手との直接対面を無理に受け入れない

会場側から相手との話し合いを提案されたとしても、被害を訴えた人が直接対面する必要はない。

恐怖を感じる場合や精神的な負担が大きい場合には、別々に話を聞いてもらうよう求めてよい。警察への相談を希望する場合も、会場スタッフを通じて連絡する方法や、自分で110番する方法がある。

スタッフの対応が不十分な場合は、会場責任者や主催者に申し出る。それでも安全が確保できない、相手が近くにいて危険が続いているという場合には、警察へ直接連絡することを優先したい。

【証拠の保存と相談窓口】警察への痴漢被害相談はどう進める?

被害を受けた直後は、何が起きたのかを整理するだけでも大きな負担になる。しかし、後から警察や専門機関に相談するときに役立つ情報を、無理のない範囲で残しておくことは重要だ。

証拠として残しておきたい情報

ライブハウスでの痴漢被害では、次のような情報が状況を説明する手がかりになる。

  • 公演情報:公演日、会場名、出演アーティスト、開演・終演時刻。
  • 発生場所:フロアの前方・中央・後方、ステージに対する位置。
  • 発生時刻:何時ごろ、どの曲の演奏中だったか。
  • 行為の内容:どの部位に、どのような接触があったか。
  • 相手の特徴:服装、髪型、身長の目安、持ち物など。
  • 目撃者:近くにいた観客や同行者、スタッフの情報。
  • 関連資料:チケット、入場記録、スタッフとのメッセージ、医療機関の受診記録など。

スマートフォンでできる証拠保存方法

被害直後に安全な場所へ移動できたら、覚えている内容をスマートフォンのメモなどに記録しておく。

時間が経つと、演奏中の状況や相手の特徴が曖昧になることもある。記録する際は、実際に覚えていることと、推測したことを区別すると、後から説明しやすくなる。

また、会場スタッフとのやり取りや、主催者からの返信、関連する通知などは、削除せずに保存しておきたい。写真や動画がある場合は、元データを編集せずに保管する。

SNSへの公開は慎重に考えたい。相手の顔や個人情報を独自に公開すると、プライバシーや名誉に関する別の問題が生じる可能性がある。証拠は警察や相談機関に提出できる形で保管することを優先しよう。

衣服や身体に関する証拠について

身体への接触に関する被害では、衣服などに証拠が残る可能性もある。

内閣府男女共同参画局は、警察や医療機関に行く際に、被害時に着ていた衣服や下着を洗わずに持参することを案内している。また、可能であれば、受診前の入浴やシャワーを控えることも勧めている。

ただし、身体の不調やけががある場合は、証拠保存のために医療を後回しにしてはいけない。無理のない範囲で保存し、医療機関やワンストップ支援センターに相談すればよい。

なお、証拠が残っていない場合や、被害から72時間以上経過した場合でも相談は可能だ。時間が経ってしまったことを理由に、相談を諦める必要はない。

警察への通報・相談方法と電話番号

ライブ会場で被害を受け、相手が近くにいるなど緊急性が高い場合は、110番で警察に通報できる。会場スタッフを介さず、自分で警察に連絡しても構わない。

緊急性がない場合や、被害について相談したい場合には、次の公的窓口を利用できる。

1. 性犯罪被害相談電話「#8103(ハートさん)」

各都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながる全国共通番号。性犯罪・性暴力被害について相談でき、警察庁によると24時間対応している。

2. 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「#8891」

電話をかけると、最寄りのワンストップ支援センターにつながる。医療機関の紹介、証拠採取に関する支援、心理的ケア、警察への同行、弁護士など専門家の紹介を受けられる。

3. 警察相談専用電話「#9110」

緊急の事件・事故ではないものの、警察に相談したい場合に利用できる。相談内容に応じて関係部署につないでもらえる。受付時間は都道府県警察によって異なる。

4. 性暴力に関するSNS相談「Cure time」

電話で話すことに抵抗がある場合は、内閣府が案内するチャット相談も選択肢になる。専門の相談員に、警察や病院のこと、精神的な不安などを相談できる。

相談先を選ぶ際に、最初から警察への被害届を出すかどうかを決めておく必要はない。まず話を聞いてもらい、今後の対応を考えることもできる。

【満員ライブの痴漢対策】女性の一人参戦と会場側ができる防止策

ライブハウスで安心して過ごすためには、来場者自身ができる準備と、主催者・会場が担う安全対策の両方が必要だ。

ただし、被害を防げなかった原因を来場者の服装や行動に求めてはいけない。どのような服装で参加しても、一人で来場しても、性的な接触を受け入れる義務はない。

女性の一人参戦で意識したい防犯対策

一人でライブに参加する場合は、困ったときにすぐ助けを求められる環境を事前に確認しておくと安心だ。

  • 入場前:会場のフロア構造、スタッフの配置、退場口を確認する。
  • 場所選び:不安がある場合は、スタッフや出口に近い場所を選ぶ。
  • 開演前:困ったときに声をかけるスタッフの位置を確認する。
  • 連絡手段:家族や友人に公演情報と帰宅予定を共有する。
  • 終演後:不安が残る場合は、スタッフに付き添いや安全な退場について相談する。

前方で観たい、モッシュに参加したい、一人で音楽を楽しみたいという希望を諦める必要はない。自分の体調や会場の混雑状況を見ながら、いつでも移動できる選択肢を持っておくことが大切だ。

会場・主催者が取り組むべき安全対策

痴漢の防止を来場者の注意だけに任せることには限界がある。実効性のある対策には、会場やイベント制作側の明確な運営方針が必要だ。

具体的には、次のような取り組みが考えられる。

  • フロア内や出入口に、対応方法を理解したスタッフを配置する。
  • 被害を申し出た人を速やかに安全な場所へ案内する。
  • 被害申告を受けた際の責任者への引き継ぎ手順を整える。
  • 警察への通報や相談に対応できる緊急時の連絡体制を整備する。
  • 防犯カメラがある場合、映像の確認・保存に関する手順を明確にする。
  • 痴漢や迷惑行為を発見した場合の退場措置や再入場禁止の方針を周知する。
  • 被害を訴えた人と申告対象者を不必要に対面させない。
  • スタッフ向けに性暴力被害への理解や二次被害防止の研修を実施する。

被害者への二次加害を防ぐことも重要

性被害の相談では、被害を受けた人が周囲から責められたり、説明を何度も求められたりすることが精神的な負担になる場合がある。

「なぜその場で声を出さなかったのか」「どうしてその場所にいたのか」「勘違いではないのか」といった言葉は、被害を訴える人をさらに追い詰める可能性がある。

また、SNSで被害を訴えた人や関係者を攻撃したり、確認されていない情報を拡散したりすることも避けなければならない。

2026年2月のNEMOPHILAの公式発表でも、事実と異なる憶測の拡散やメンバー個人への誹謗中傷を控えるよう呼びかけている。

ライブ会場の安全性は、警備員の人数だけで決まるものではない。被害を訴えた人の話を丁寧に聞き、適切な窓口につなぎ、必要な記録を残すという組織的な対応が求められる。

【プロの結論】ライブハウス痴漢を防ぐために知っておきたい判断基準

ライブハウスでの痴漢問題を考える際、最も重要なのは「混雑による接触」と「性的な意図を伴う不適切な接触」を混同しないことだ。

観客同士が身体をぶつけることのある環境でも、性的な部位への意図的な接触が正当化されるわけではない。モッシュやダイブという文化そのものを否定するのではなく、他人の身体や意思を尊重することが必要になる。

来場者が覚えておきたい3つの判断基準

第一に、違和感を覚えたら離れてよい。

相手の意図を完全に判断できなくても、安全のために場所を移動して構わない。周囲に迷惑をかけるのではないかと考え、我慢する必要はない。

第二に、被害を受けたときはスタッフだけで解決しようとしない。

会場スタッフは初動対応の重要な窓口だが、必要に応じて警察や専門相談機関につながることも大切だ。スタッフの対応に納得できない場合は、別の相談経路を利用できる。

第三に、証拠がないことを理由に諦めない。

被害時の記録が不十分でも、相談することはできる。記憶が曖昧になっていても、衣服などを保存できていなくても、専門機関に話を聞いてもらうことが可能だ。

そして、会場側には、来場者が安心して助けを求められる環境をつくる責任がある。痴漢行為を発見した場合の対応方針を事前に公表し、現場のスタッフ全員が同じ手順で動ける体制を整えることが、再発防止につながる。

【ライブハウス痴漢に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:ライブハウスで身体を触られたら、まず何をすればいい?

A1:まず安全な場所へ移動し、近くのスタッフや周囲の人に助けを求めてください。相手と直接対決する必要はありません。必要に応じて会場責任者や警察にも相談しましょう。

Q2:モッシュ中に胸やお尻を触られた場合も痴漢になる?

A2:モッシュ中であっても、意図的な性的接触が許されるわけではありません。具体的な行為や状況によって、犯罪に該当する可能性があります。混雑を理由に我慢せず、スタッフに相談してください。

Q3:ライブハウスのスタッフが対応してくれない場合は?

A3:会場責任者や主催者への引き継ぎを求めてください。安全が確保できない場合や緊急性がある場合は110番で警察に通報できます。性犯罪被害相談電話の#8103も利用できます。

Q4:証拠がなくても警察に痴漢被害を相談できる?

A4:相談できます。証拠が残っていない場合や、被害から72時間以上経過している場合でも、内閣府は相談可能と案内しています。公演日時や場所、相手の特徴など、覚えていることを伝えてください。

Q5:ライブハウスに一人で参加すると痴漢に遭いやすい?

A5:一人参戦だから被害に遭いやすいと断定できる公的データはありません。一人でも複数人でも被害に遭う可能性はあります。スタッフの位置や退場経路を確認し、不安を感じたら早めに助けを求めましょう。

Q6:男性もライブハウスで痴漢被害に遭うことはある?

A6:あります。性暴力は性別にかかわらず起こり得ます。男性も女性と同様に、警察やワンストップ支援センターに相談できます。

Q7:ライブハウスでの性被害はどこに相談すればいい?

A7:緊急時は110番、性犯罪被害について警察に相談する場合は#8103、医療・心理・法律面の支援を受けたい場合は#8891を利用できます。警察への相談を迷っている段階でも、専門機関に話を聞いてもらえます。

まとめ:安心してライブを楽しむために必要なこと

ライブハウス痴漢は、満員のフロアやモッシュ、暗い照明など、会場特有の環境に紛れて発生することがある。しかし、ライブの熱気や観客同士の密着は、性的な接触を正当化する理由にはならない。

2026年にはNEMOPHILAやBUCK∞TICKが公演中の痴漢被害に関する報告を公表し、警察への相談や厳正な対応方針を示した。こうした事例は、ライブ会場の安全管理やスタッフの初動対応が、音楽イベントの運営に欠かせない課題であることを示している。

被害を受けたときは、安全な場所への移動、スタッフへの報告、証拠の保存、警察や専門窓口への相談という順序を意識したい。緊急時は110番、警察への性犯罪被害相談は#8103、専門的な支援を希望する場合は#8891が利用できる。

一人参戦でも、初めてのライブでも、好きなアーティストを思い切り楽しむ権利は誰にでもある。被害を受けた人に我慢を求めるのではなく、主催者・会場・スタッフ・来場者がそれぞれの役割を果たすこと。それが、誰もが安心して音楽を楽しめるライブシーンをつくるための第一歩だ。


主な情報源・公的資料

  • 内閣府男女共同参画局「性犯罪・性暴力とは」「性犯罪・性暴力相談窓口」
  • 警察庁「性犯罪被害相談電話全国共通番号 #8103」
  • 法務省「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」
  • NEMOPHILA公式サイト「ご報告とお願い」(2026年2月17日)
  • BUCK∞TICK公式サイト「ご報告とお願い」(2026年7月6日)
  • 日刊スポーツ「ライブ会場での痴漢めぐる対応に疑念」(2025年3月19日)
  • TBS NEWS DIG「ラブリーサマーちゃん フロア内の痴漢行為発生に『絶対に許しません』」(2025年4月30日)

同じカテゴリの記事

白石 澪
デジタルマーケター 白石 澪
プロフィールを見る →

アイドルグループと音楽シーンの取材を担当。公式サイトのスケジュール、リリース情報、 Billboard JAPAN などの公開チャートを照合してから記事を構成します。

おすすめの関連記事